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 闇の先兵と光の使徒

10時にアップしたと思ってたら、出来てなかったです(T_T)


「トロール…」


 降りる階段でルルさんの言葉を思い出しながら僕は言葉を紡ぐ。


「昔々、神様たちの時代の光と闇の戦いで、闇の先兵として戦ったと言われている。巨人族の中ではちっちゃい方だけど、その体の大きさは人間よりでっかくて、すごいのは超回復能力。一発でやっちゃわないとみるみるうちに回復しちゃう」


 よし、シャリーちゃんは無言で聞いてる。かつての僕みたいに散々びびらせてやるのだ。


「冒険者たちにはトロールは森の悪鬼と呼ばれて怖がられている。その力と、ずんぐりむっくりとした見た目によらず凶暴で、ある程度腕がたつ冒険者でもその姿を見たると逃げちゃうそうだよ」


 僕は話し終えて、深く息をしてシャリーちゃんを見る。


「ラパンちゃんありがとう。一撃でやればいいのね」


 ん、シャリーちゃんは平常運転だ。全くびびってない。僕なんて恐ろしくてガチガチになったのに?


「シャリーちゃん、怖くないの?森の悪鬼だよ?」


「ん、ちっちゃい巨人で回復が凄いだけでしょ、しかも闇の先兵って事は光の使徒たるあたしたちの天敵、木っ端微塵にしてやるわ!」


 木っ端微塵とは物騒な……決して聖職者の使う言葉ではないな、その前に生き物相手に木っ端微塵って使うものなのか?


「ラパンちゃん、怖い話のセンスゼロね、次はミノタウロスらしいから、その時は私に任せて、野伏レンジャーの力見せてやるわ」


「あたしはトロールは苦手だわ、トロールに襲われてた所をザップに助けて貰ったのよ。あの時のザップすごかったわ、格好よかった……」


 また、マイさんがうっとりとしてどっかに行っている。けど、乙女のフィルターかかりすぎじゃないか?聞いた所ではマイさんに会った時のザップは伸びた髭に汚い布を首と腰に巻いたままの浮浪者同然の恰好だったと言う。


 そうこうしてるうちに、次のフロアにたどり着いた。



「シャリー、次の部屋に1体いるわ」


「了解!」


 デルさんの言葉にシャリーちゃんは扉を蹴って部屋に入る。もう完全無敵に荒くれ冒険者だな。


「うわ、きも、きたなっ!」


 シャリーちゃんは、でっかいきったないおっさんにしか見えない、森の悪鬼トロールに躊躇いなく突っ込んで行く。トロールは弱者認定されたみたいだ。


「なんで、あたしの回りは汚いおっさんばかりなの!くたばれやっ!」


 シャリーちゃんは一撃でトロールを文字通り木っ端微塵にしてやった。エグすぎる。


「シャリーちゃんの神殿っておっさんばかりなの?」


 デルさんがシャリーちゃんに問いかける。


「そうなのよ。あたしの事をきったねー目で見てくるおっさんばかりなのよ。イケメンの1人か2人くらい居ればいいのに」


「あたしの故郷はイケメンよりどりみどりよ、今度行ってみる?」


「行く行く、絶対行くーっ!」


 挽肉になったトロールの横で乙女な会話が繰り広げられていく。森の悪鬼、可哀想すぎる。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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