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 破壊された巨大な扉


「うわ、なにこれザップかアンが通ったあとみたい」


 マイさんは収納から大きな斧を出して構える。


 しばらく進むと僕たちは開けた所にでた。中地下1層だ。左右には幾つもの薄く光る魔方陣があり、正面には巨大な鉄の扉があるのだが、真ん中には巨大な穴が空いている。色々わけが解らない残骸が転がっており、のぼりの残骸がちらほら残っているので、それは屋台か何かの跡だと解った。


「マイ姉様、なにかデカイものが通った跡みたいですが、結構時間が経ってるみたいです。魔物の気配はしないので安全だと思います」


 デルさんの言葉にマイさんは斧をしまう。


「解ったわデル、つい、暗黒竜のこと思いだしたから。シャリーちゃん一応呪い対策よろしく」


「わかったわ、みんな集まって。光よ我らに加護を神聖祝福セイクリッド・ブレス


 シャリーちゃんのそばに集まった僕たちをその杖から出た光が包み込む。


「うわ、シャリーちゃんって、本当に大神官なのね、やばいわこのバフ。全能力上昇と状態異常無効、即死無効に全属性耐性と自動回復。最高じゃない。どれだけ効果がもつの?」


 つい、マイさんはシャリーちゃんの両肩を掴む。


「は、はい、1時間くらいです」


「凄いわシャリーちゃん。可愛いだけじゃなくて有能なのね。どっかの浮いてるだけの生き物とは大違いね」


 マイさんはシャリーちゃんをギューッとする。あれいいな、僕もされたい。頑張ろう!


「マイ、それってあたしに喧嘩売ってるのかしら!あたしのすっさまじい魔法を嫌というほど浴びさせてやるわよ」


 妖精ミネアがマイさんに向けて光を放つ。げっ、こいつ本気でやりやがった。けど、その光は霧散する。


「ミネア、あなたの得意な精神系の魔法はこの祝福の下には全く効果ないみたいですね。さすがマイ姉様、効果の確認のためにミネアを焚きつけたのですね」


 デルさんが腕を組んで頷いている。本当にそこまで計算してたのか?


「まぁ、それならそうと早く言って欲しいわね、ついあたし全ての魔力使ってしまったわよ」


 どんだけ強力な魔法を放ったのだろうか、しょうもない魔法だと思うので聞くのは止めとこう。と言うことは、妖精は今日1日全くの役たたずと化したのか……


「多分ここはポータルルームですね、けど、私とシャリーはここに来るのは始めてですので利用できませんね」


 デルさんがあたりをキョロキョロ見渡す。


「あたしとミネアとラパンちゃんは多分40層まで行けるけど、デルとシャリーと分断するのは得策ではないわね。コツコツ降りるしかないわね」


 大扉に向かって歩いていくマイさんに僕たちも続く。


 大扉の所について、マイさんとデルさんがその穴の周辺をためつすがめつ確認する。僕はなにをしてるか、なにが解るかわかんないけど、なにもしないのはなんか格好悪いのでそれにならう。当然何も解らない。気分の問題だ。


「この穴の大きさから多分、アン様より大きなドラゴンがブレスで穴を空けたと思われますね」


 一通り確認してデルさんが口を開く。


「しかも、断面が錆くれてる。腐食の息(ロトンブレス)ね。暗黒竜かなあ?」


 マイさんが扉の断面に手を触れながらそれを凝視している。


「それはまずいですね。対策を考えとかないと、もしこれを喰らったら人として死んでしまいます」


「そうね装備や服が溶けて裸になるのはいいけれど」


 裸になるのはいいんかい。マイさんは渋面で腕を組んでいる。


「髪の毛や睫毛や眉毛が溶けたらヤバい顔になりますね…」


 デルさんも顔を顰めてる。


「それよりも、溶けてもエリクサーがあるから大丈夫だけど、ザップの化身のラパンちゃんの前でドロドロ溶けて復活したら多分永遠に恋愛対象から外れてしまうわ。間違いなくしばらく夢でうなされるわ」


 マイさんが溶けてまたもとに戻るのを想像してしまう。うん、確かにそうだ。想像にもやがかかっている。子供厳禁な案件になるだろう。

 けど、なんか陰口言われてるのをたまたま聞いてしまったようなばつの悪さがある。僕の前でザップを口説く系の事は勘弁してほしい。女心って複雑だなぁ……


「とりあえず、誰かがロトンブレスを喰らったら、まずはラパンに目隠しをする事で対処しましょう」


 デルさんはそう言うが、全く解決策になってないような……


「まあ、けど、暗黒竜は出て行ったみたいだから、急いでザップを回収しましょう、その間にいい方法かんがえましょう」


 マイさんは扉をくぐり、僕たちも後に続く。



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