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第二十四話 荷物持ち広間に進む

 日間ファンタジー部門にランクインしました。ありがとうございます。


「ザップ! 凄いわ、何て言うか、かっこよかった!」


「そうか……」


 僕はマイから目を逸らす。よく考えたら今までの人生で人から褒められた記憶がない。正直照れくさい。何て言ったらいいのか解らない。


 褒めてもらったのは嬉しいが、ここからエリクサーの泉まではまだ幾つもの部屋がある。まだ気を抜く訳にはいかない。今の戦いで手にいれた新しいミノタウロスの斧を収納に入れて先に進む。


 次の部屋は何も居なくて、息を大きく吸い込み心を落ち着けて次の部屋に進む。扉を開けると、3体のミノタウロスがいる。意外に多いな。


 収納からヘルハウンドのブレスをありったけ叩き込んで、次々とミノタウロスを殴り倒した。今は全力なので、残念ながらマイにとどめを刺させる余裕はなかった。


 また次の部屋もミノタウロスは3体で同じ要領で倒した。いける! この調子なら泉までたどり着けそうだ。


「ザップ、どこに行くつもりなの?」


 通路で、マイが横に並んで口を開く。


「泉だ」


「泉で何するの?」


「水を汲む」


「……」


 僕の答えにマイは不服そうだが、まずはこの先に進むことだ。全身全霊をもって集中しないと1回のミスが命取りだからな。


 次の部屋は6体いた。さすがにヘルハウンドブレスと直接攻撃のみでは厳しいので、ドラゴンブレスを1回使って一網打尽にする。まだ動いている奴がいたのでとどめを刺す。


 次は前にここに来た時に最初にミノタウロスを倒した大広間だ。


「これから、ここの敵を殲滅してくる。終わったら呼びにくる。絶対についてくるな。もし1時間くらい経っても俺が戻らなかったら、1人で地上に戻れ」


 僕はマイのリュックを収納から出した。そこから水筒を出させてエリクサーを満たす。容器に入れたエリクサーは時間がたつとどんどん効果が薄まり水に戻るが飲み水代わりにはなる。あとヘルハウンドの肉をマイの食べる一週間分くらい用意した。


「待ってよ、ザップ、なんか、お別れみたいだよ……」


 マイは、泣きそうな顔で僕を見る。


「そうならないようにする。怪我したら、その水を使え。しばらくは回復効果がある」


 僕はマイを振り返らず、広間に足を踏み入れた。


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