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 英雄たちの宴


「マイ姉様と、アン様の復帰を祝してかんぱーい!」


 アンジュさんの音頭のもと、僕たちはジョッキをぶつけあった。マイさんとアンちゃんと妖精ミネアと人魚ナディアはお酒で、後みんなはジュースだ。


 今日は忙しかった。巷で人気者のマイさんとアンちゃんがお店でメイド服でウェイトレスをしてるっ事で、お客さんは止めどなく来店しだ。休憩も少しで、ご飯を食べられるくらいの時間しかとれず、食材が僕たちのだけになるまでガンガン売り尽くした。

 食事以外の人達も店の外に溢れていて、まるで暴動のようなお祭り騒ぎになっていた。


 もう今は、結構な時間で疲れているのにもかかわらず、マリアさんと調理長は僕たちを心からもてなしてくれた。


 食事が一息ついた所で、神官戦士のミカさんが話し始める。


 ミカさん、北の魔王リナちゃんと妖精ミネアは東方諸国連合の今の状況を見に行ってたはずだ。


 ミカさんが言うには、迷宮都市から魔物が溢れて、その溢れた魔物は他には脇目もふれず魔道都市に向かって行って、魔道都市の回りに固まってると言う。

 迷宮都市ではドラゴンが迷宮の浅層に出たと言うことで、冒険者たちで迷宮にいたものはほとんどおらず、犠牲者は少なく、今は街の全ての門を閉ざしているという。東方諸国の他の都市国家も城門を閉じて、溢れた魔物の動向をうかがっているという。


 ミカさんたちは東方諸国連合の状況確認が意外に早く終わったので、リナちゃんが、石化したマイさんたちをどうにかするために聖教国に行こうと言うことになったそうだ。

 聖教国の中心の聖都まで行って、妖精ミネアのスキルで潜り込み、聞き込みという名の恐喝のもと聖都で一番の解呪能力があるというシャリーちゃんに目をつけ、聖教本山の大聖堂に忍び込みシャリーちゃんをふん縛って連れて来たそうだ。

 さすが魔王、自由で恐るべし。


「ラファちゃん絡みって知ってたら協力したのに……」


 シャリーちゃんが恨みがましく言う。ひどい、何も話もせずにいきなり拉致ったのか?


「けど、何も言わず大神官を連れてきてなんか問題になるんじゃないの?」


 マイさんが当然の事を言う。国際問題とかに発展しそうだ。


「大丈夫よ、大人しそうな野良猫拾ってきて、変化の魔法でシャリーに変身させて置いて来たから。睡眠の魔法もかけて来たから。まだ、眠ってるはずよ」


 妖精がドヤ顔で胸をはる。大丈夫なのか?


 それはそれで、猫が起きたら問題になるのでは?

 間違いなく……


「それじゃ、シャリーちゃんは国に帰った方がいいんじゃ?」


 僕はシャリーちゃんの方を見る。


「嫌よ、あんたの中身はザップなんでしょ、あんたをもとに戻すまでは帰らないわ」


 シャリーちゃんはまだ手伝ってくれるのか。少し嬉しい。


「なんで、シャリーちゃんは僕を手伝ってくれるの?ラファちゃんとはなんかあったの?」


 僕は聞き忘れてた疑問を口にした。


「そりゃ、あんた、そうね、友達だからよ、あとは思い出すかラファに聞いて!」


 答えるシャリーちゃんの笑顔はこれまで見たシャリーちゃんの中で一番だった。


 そしてその後、僕たちは食事を楽しんで、部屋に戻ってぐっすりと眠った。

 

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