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 両面バフ魔法陣


「光よ!」


 ルルさんの魔法の光が辺りを照らす。


 僕は収納からドラゴンの死体を取り出す。角は折れて顎は外れていて全身傷だらけで、すぐに収納にしまったので未だに血が流れている。なんだか少し可哀想な気もする。


「これがドラゴン……」


 シャリーちゃんはドラゴンに手を伸ばす。そしてなめ回すかのように全身を見回す。


「まだ、暖かい……いいわ、これで手を打ってあげる。その代わり聖都に運ぶのは手伝ってね。ラファちゃんの収納って時間も止まってるんだね。鮮度が落ちるからまだ見ていたいけどしまっちゃって」


 僕はドラゴンの死骸を収納にしまう。


「では、約束通り石化の呪いを解除してみるわ。ラファちゃん、みんなまとめていくから、石化した2人とラファちゃんは1カ所にまとまって」


「え、僕も?」


 訳が解らず、僕は自分を指さす。


「ラファちゃんも少し呪われているでしょ、今回はサービス。まとめていくわよ」


 そういえば収納の中とタブレットの1部が石化してたな、それも治療できるんだ。


 収納からマイさんとアンさん2人の石像を出して僕はその間に立つ。アンさんは傷だらけなので、戻った時に流血しないようにルルさんがタブレットを使って上からエリクサーをかけ続ける。石像に水をかけてる様は不謹慎だけどなんかの供養みたいだ。


 シャリーちゃんは指で地面に魔方陣を書いていく。その指が通った所に光の線が現れる。3つの同心円を描きその中にびっしりと文字を刻んでいく。内容が多いのか、終わる様子がしない。


「シャリー、手伝おうか? 光の神聖魔法陣なら書けるわ」


 ミカさんが手伝いに入る。


「あたしも、大地の変換魔法陣なら解るわよ」


 ルルさんも水掛けを中断して手伝いに入った。


「風の属性強化陣はうちがやったる」


 人魚のナディアも手伝ってくれる。


「助かるわ、あまりに強力な呪いなんで、呪いの力を弱めてあたしの魔法の力を強めないと多分太刀打ち出来ない。地属性の呪いなんで、対抗属性の風の属性を強めて、魔力不足を大地から魔方陣で力をくみ上げて、あたしの魔法を光の神聖魔法陣で強化。これが今出来る事の最大限よ。これで駄目だったら聖教国の大神殿の祭壇で、術者を集めてやるしかないわ」


 シャリーちゃんの説明は、魔法陣を手伝ってくれてる3人への要求も含まれてるのだろう。要は自強化と呪いの弱体化の両面バフって事か。


 んー、なんかまだまだ時間がかかりそうだ。


「シャリーちゃん、ここから出ちゃ駄目なの?」


 ずっと立っとくだけなのは正直しんどい。


「いいけど、線を踏まないでね」


 シャリーちゃんは集中してるのか顔を上げずに答える。


 僕は魔法陣から出てデルさんの横にいく。アンジュさん、妖精ミネア、リナちゃんは座って船をこいでる。


「デルさん、ドラゴンの売れた金額の内3分の2はデルさんとルルさんにどうにかして返しますね」


 ドラゴンは3人で倒したので、当然報酬は割らないと。


「んー、とどめさしたの私たちじゃないし、大金貨10枚づつでいいわ、それをザップ兄さんから取り立てるわ」


「えー、そりゃ少なすぎでしょう。せめて20づつは取り立ててください」


 まあ、ザップなら大丈夫なのでは。


「わかったわ、ルル、と言うことでいい」


「いいわよー」


 これで気になっていたドラゴンの分け前の事は解決した。


 魔法陣を書き終わるまでまだしばらくかかりそうなので、悪いけど少し仮眠する事にした。



 両面バフって好きな言葉です。今回は戦闘ではないのですけど、某ドラ○エでスク○トかけながらバイキ○トをかけた時の爽快感、地味かもしれないですけど、『おおおおっ』ってなりますよね。


 みやびからのお願いです。


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 執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

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