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 治療の対価


「じゃ、シャリーちゃん、具体的にお金幾らくらいで、石化の呪いにかかった2人を治療してくれるの?」


 あえて、『ちゃん』づけする事で、親近感を演出してみた。まあ、僕的には全く覚えてなく赤の他人感覚しかないのだけど。   

 シャリーちゃんの恰好は白と黒を基調とした修道服みたいなワンピースに栗色の髪は肩口で切り落としている。年齢は多分僕と同じくらいで14から16才位に思える。けど一番の違いは胸、ルルさん、ミカさんよりは小振りだけど、僕より遙かにでかい。頭や魔法を使うクラスだと胸が大きくなるのだろうか?


「だいたい相場で言えば、1人につき大金貨100枚くらいかなぁ?」


「「「大金貨100枚!」」」


 みんなの驚愕の声がハモる。


 そりゃ、高過ぎだろう。結構りっぱな家が買える。下手したら田舎で節約生活したら一生生きて行けるくらいの金額だ。


「ねぇ、僕たち友達でしょ、もっと安くならないかなぁ?」


 僕は気持ち悪いけど少し甘ったるく聞いてみる。


「え、何言ってるの、ラファちゃん記憶ないんでしょ、あたしの事微塵も毛ほども覚えてないんでしょ、それなら他人といっしょじゃない?それにプライベートとビジネスは分けてるの。へんなとこで浪花節だしたら値崩れ起こしてみんなに迷惑かけるから」


 シャリーちゃんは立て板に水の勢いだ。子供じゃなかったら、女の子じゃなかったら引っぱたいてやりたいところだ。気を鎮めて、僕は僕の今の状況を語る事にした。ラファのために頑張ってくれた彼女だから、もしかしたら僕のために力になってくれるかもしれない。


「シャリーちゃん、聞いてほしいんだけど……」


 僕はザップとラファの出会いから話し始めた。



  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「と言う次第なんだ」


 話しが長くなりそうだったので、店の主人のマリアさんに帰宅の挨拶をしてから、みんなでザップハウスに移動した。いつの間にかデルさんが僕たちにコーヒーを準備してくれたので、それを飲みながら、ほとんど僕、たまに妖精のミネアでいままでのいきさつを話していった。あと、ついでなので、太古の迷宮の事も。ルルさんとデルさんを交えて、ジェスチャーを織り交ぜ武勇伝を披露した。当然ながら、僕がドラゴンに食われた所では笑いが起き、討伐の証拠のドラゴンの鱗とついでにアンさんを収納から出した。


「こ、これがエンシェントドラゴンのアンさん!」


 シャリーちゃんはアンさんをなでなでする。彼女はキラキラな目で憧憬の眼差しでアンさんを見ている。ドラゴン好きなのか?


「なんか、思ったより肌ガサガサね、ドラゴンだからかな。それに小指1本無いけど、なんかけじめつけさせられたのかなー?」


 げっ、まじで小指1本ない……けじめってあんた極道の人かい。それに顔を触ってみると小さな傷がいくつもついている。僕なのか、それともドラゴンの牙にでもあたったのか? どっちにしても、石化が治ったとたんにエリクサーかけないと酷いことになるんじゃ……


「じゃ、今までの話から、ラファは迷宮都市の迷宮の下層でザップの姿で石になってるっていうことね。あたしもラファのために力になりたいけど、そこはそれここはこれ、大金貨100枚でアンさんとマイさん2人を治療してもいいわ」


 何とか僕の話で半額に値切れたけど、そんなお金どうしよう?


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