姫と筋肉 筋肉の秋 終
「ダメだ、ダメだ、ダメだ! てんでなっちゃいない。お前、何年生きてきて、そんなスクワットしてるんだ!」
げー。温厚なレリーフがキレてる。おいおい、デカい奴がキレたらこぇーよ。
「何怒ってんだよ」
つい、ファイティングポーズをとる。いいよ。やるならやってやるよ。ん、やれやれのポーズ?
「怒ってはいない。呆れてるんだ。お前だって俺のスクワットをずっと見てきただろ。それで、なんでそうなるんだ?」
レリーフは頭に右手を当てて横に振る。こいつ何かとジェスチャーが大袈裟なんだよな。西方や開拓地の人みたいだ。なんか腹立つ。
それにそもそもお前がスクワットやってるのをそんなにジロジロ見てねーよ。
「ほら、まずは足だ踵をつけたままするな。開け」
「おい、何言ってやがる。女の子に足を開けって、正真正銘セクハラだろ」
「ふざけてるんじゃない。そんな足を閉じたままやってたら、脂肪を落とす前に膝を壊すぞ。それに、踵を上げるな。地面に踵をつけたままやれ」
「細かいなー。わかったよ。で、股はどれだけ開けばいいんだ?」
「股じゃない。足だ。肩幅くらい開け」
ちょっとキディングしたのに、眉一つ動かしやがらない。レリーフはまじだ。本気と書いて『まじ』だ。
言われた通りにやってみる。なにっ。これって存外きついぞ。つる。お尻がつりそうになる。踵を地面につけるだけでこんなに変わるのか!
「最後まで曲げるな。足が直角で止めろ。一、二、三、四、腰が曲がってるぞ背筋を伸ばせ! 五、六、七、八、九、十。よし、しばらく休め!」
なんだこれ、マジきつい。出てるし汗。たった十回で。それより、なんで僕がレリーフにしごかれてるみたくなってんだよ。なんか腹立つ。
「きついのか? それなら、それだけお前がそこの筋肉を使って無かったってことだ。人間は無意識的にできるだけ付加がかからない動きをしようとするからな。見てろ」
レリーフがスクワットを始める。ゆっくりと力強く。淀みなく。今までじっくり見てなかったけど、なんて言うか一種の美しさを感じてしまった。僕なんて動きガクガクになってたもんな。スクワットしながら事も無げに奴は話す。
「秋になると、美味い食い物が増える。それに、夏はバテ気味でどうしても食が細る。その反動で秋は食べ過ぎになりがちだ。食べると太る。太らないためには体を動かすしかない。だから、秋には筋トレ。『筋肉の秋』、素晴らしい言葉だろ」
「『筋肉の秋』か……」
レリーフなのに、少し納得してしまった。
いつも美味しいものをお腹いっぱいたべたいけど、太っちゃうかもって思って、ついセーブしてしまう。単純だ、運動すればいいんだね。
そして、僕はヘトヘトになるまで、体を動かした。そういえば、今日はハントする予定だったのに。なんかレリーフに流されてるような……
ちなみに、この後レリーフが奢ってくれたのは豆腐と豆料理の専門店だった。『筋肉の秋』って言ってたくせに、秋の味覚じゃねーのかよ。まあ、奢りなので文句言わずに美味しく食べたけど……
『鍋島テツヒロ』先生が描く、ラパンちゃんをみたーい! みたーい! みたーい!
!!!!!
アンちゃんと、ラパンの髪の色が被る!
まあ、先生ならどうにかしてくれるでしょ。
と言う訳で、ラパンちゃんを見たいという私の夢を叶えるために、ご協力いただけたら嬉しいです。本の売れ行き次第では、二巻発売できますのでm(_ _)m
読んでいただきありがとうございます。
みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。
とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。




