姫と筋肉 筋肉の秋 4
「で、そいつらの名前はなんなんだ?」
一応、骨動物たちの名前を聞いてみる。
「ギンとドウだ」
やっぱまんまだ。まあ、イヌとネコよりマシか。なんかお洒落なカフェがいつの間にかホラーハウスっぽくなってるが、まあ、ハロウィンも近いから問題ないだろう。
「んー、今の金貨から、ここの支払い出すから、もうそいつら帰しなよ」
「いや、俺が奢る」
「ほらほら、金貨一枚じゃ多過ぎるって」
「いや、秘薬の対価としては少ないかと思ってたんだ。それに俺の故郷では金は男が出すもんだ」
うわ、何それ。価値観古っ。今日び、かなりの田舎でもそんな風習息絶えてるぞ。そう言えば、レリーフの過去って全く知らないんだよな。こいつあんまり自分の事話さないし。けど、王都にダークエルフはほとんどいない。遠くから来たんだろな。訳ありかもしれない。
「いや、いいって。じゃ今度奢ってくれ。もっといい店でな」
「わかった。戻れ」
骨トリオが床に消えていく。あいつらどこからきてんだろ? 地獄からか? まあ、これでカフェのお会計の時、ウェイトレスさんが困るのを見なくてよくなった。
「じゃ、そろそろ、仕事にいくよ」
ギルドに向かわないといい仕事なくなるからな。
「そうだな。いくか」
「おいっ、お前、ついてくる気か?」
「ソロじゃ危ないだろ」
「本心を話せ」
「今日は休みで暇なんだ。ついてってもいいか?」
「しょうがねーな。今日はハントに行くぞ」
今日は思いっきり暴れたい気分だ。レリーフもいればかなりの魔物を狩れるだろう。
◇◇◇◇◇
「おっかしいなー。ギルドの情報、間違ってたのか?」
これで、今日、もう三つ目のゴブリンの巣穴が空だった。ついさっきまでゴブリンがいた気配がある。ゴブリンの死骸も無いし、若干の小銭や装飾品が残ってるから同業者じゃ無さそうだし。
「魔物がいないのは良いことじゃないか」
レリーフがなんか聖職者のような事を言ってやがる。本当におかしい。ここは王都から結構離れてるからもっと魔物がいてもおかしくない。
「まあ、いつもこんなもんだ。王国は治安がいいからな。ラパン、お前もやるか?」
奴は洞窟の前で腕立て伏せを始める。
いつもこんなもん? んな訳ない。僕なんかここらではいつも戦いまくりだ。
もしかして、こいつか? 僕はよーく。考えてみる。
僕は今、ゴブリンだ。死霊術士、死の臭いが纏わり付いた、オーガもかくやなマッスル巨漢が歩いていくくる。
逃げるわこりゃ。着の身着のまま一目散に持てるものだけ持ってできるだけ遠くに逃げるわ。
「おい、レリーフ。お前、最近討伐依頼成功させたか?」
奴は腕立て伏せしながら応える。
「いや、最近は魔物の目撃地点に行っても対象を見つけられなくてな。そういえば迷宮の中以外じゃ魔物をめっきり見なくなったな」
間違いない。こいつの風貌と気配で、魔物がことごとく逃げてやがる。疫病神なのか?
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今、読んでみたいっ! って思ってますのが、同じレーベルで、『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) 』です。『みかみてれん』先生の作品で、今、大人気ですよね。なろうでは『恋をしたら死ぬとかつらたんです』というお話とかを書かれていて、めっちゃ面白いです。こちらでは『イサギの人』というお名前で書かれてます。時間できたら、買って読みます!!
読んでいただきありがとうございます。
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