荷物持ちVS荷物持ち
「ちょっ、待った、待った……お前、この娘の仲間じゃないのか……」
言霊使いだな。
「仲間……じゃないな」
ブオン!
僕が振り下ろしたハンマーをカナンはかわす。なんか犯罪行為してるみたいだな。生まれてこの方、ゴスロリな女の子をハンマーで殴ろうとするのは初めてだ。まあ、もっとも、あいつの中身は男のはずだし、僕の分身である以上、多少どついたとこで、全く問題ないだろう。
ブオン!
「かわすな! 当たらんだろ!」
「当たり前だろ。そんなので殴られたら死ぬわ。ほら、ほら、なんか他に手があるんじゃねーか?」
これはカナンだな。
ブオン! ブオン!
振り下ろし、横薙ぎ、華麗にかわされる。
「ザップ、少しは頭つかえよ」
「そんなん知るか。昔から、取り憑かれた奴はぶん殴るっつーのがセオリーだ!」
「こんな可憐な少女を殴ろうとするなんて、お前は鬼畜か!」
凛々しい声、言霊使いだな。
「お前こそ、美少女に乗り移るな。鬼畜、いや変態だろ!」
僕が軽く振るったハンマーを大きくかわす。多分、慣れてない。さっきまで巨体だったのに少女の体は小っさい。距離感がつかめないんだろう。言霊使いが操ってる時がチャンスだな。
「ほらほら、反撃しないと当たっちまうぞ」
なんか、僕が悪役みたいだな。
「くっ、なんてアンバランスな体なんだ。制御が効かん」
とか言いながらも言霊使いは鋭い蹴りを繰り出す。なんとかかわすが、奴はバランスを崩しかけてる。攻撃が流れている。剛力のスキルに振り回されてるんだろう。おいおい、パンツ丸見えだぞ。けど、やっぱ自分の分身だからか、なんとも思わない……はず……
「おい、言霊使い、言霊は使えないのか……使えん。マナが足りない。どうなってんだこの体? マナが少なすぎだろ……余計なお世話だ。少なくてもなんとかやりくりしろよ」
表情がコロコロ変わって面白い。カナンも僕た同じみたいだな。収納スキルにリソースをほとんどもってかれてるから、大した魔法は使えないんだよね。
「くそっ、お前、しばらく出てくんな。僕がやってやる。古竜魔法『ディアシー』!」
ん、古竜魔法? もしかしてカナン、ディアシーと契約したのか? あいつの特技は、何でも防ぐ盾。試してみるか。かわしにくいとこ、足の先を狙ってハンマーで薙ぐ。
「アウチッ! いってーなー」
ん、簡単に当たったぞ? あの無敵な盾は?
「隙ありっ!」
カナンが不自然な体勢から無理やり手を伸ばす。指先までピンと伸びてる。貫手? バカだろ。そんなの当たっても突き指するだけだろ。僕は体に力を入れて、逆に前に出る。
「えっ?」
カナンの指が僕に刺さる。そして背中まで突き抜ける。おかしいだろ。指、硬すぎだろ。
「恨むなよザップ。僕も生まれてきたからには死にたくない。何が起こったかわかんないって顔だな。僕はディアシーの盾は少ししか出せない。だから指先を覆ったんだ」
まじか、僕の分身なのに頭使ってる。
「グボッ」
やばっ、口から血が。いかん、丁度心臓のとこを貫かれてるから、エリクサーで治癒しても心臓が動かない!
遅くなりましたけど、『8番出口』見に行きました。なんて言うんでしょう。私的には後からジワジワきました。ネタバレにはならないと思いますが、『おじさん』が何回も出てきます。ほんっとうにどうでもいい事ですが、『おじさん』は『ニプレス』してますねー。普通ああいう服のおじさんって胸張ると乳首浮き出るじゃないですか。無いんです。ずっと目を凝らしてたけど、無いです。二択です。『おじさん』には乳首が無いか、ニプレスしてるか。
多分、日本広しと言えど、ずっとおじさんの胸をガン見してたのは私だけかも……と言う訳で、皆様もガン見してみてください。
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