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 荷物持ちは荷物持ち

挿絵(By みてみん)


 一応説明を。左のアッシュシルバーの髪の毛の女の子はドラゴンの化身のアンちゃんです。右の栗色の髪の毛の女の子がマイちゃんです。かわいい。あと中央がザップさんです。辛気くさい顔が良い感じです。


「歯を食いしばれっ」


 僕はハンマーを振り上げ走りだす。昔よくダニーに言われてたセリフが口をつく。一度は人に言ってみたかったセリフだ。昨今もはや化石になりつつある言葉だもんな。うわ、近づくとよくわかる。デカいな豚頭。こりゃジャンプしねーと届かねーな。僕は後ろまでハンマーをそり返し跳び上がる。


「ザップ、この娘を叩き潰せ!」


 豚頭が掴んだカナンを差し出す。


「やなこった」


 僕は振り上げたハンマーを叩きつける。


 ドゴン!


 過たず命中。感触良好。望み通り叩き潰してやった!


 豚頭の巨人、言霊使いを!


 ハンマーは頭を潰すのみのらず、大きくえぐり、その体を両断する。なんか金剛とかなんとか言ってた割には貧弱だな。いや、僕のハンマーが企画外なだけだ。なんか絡みつくような感触、間違いない。黒いもや、魔王力の発露が精神体的なものにもダメージを与えてるんだろう。カナンが豚の腕を振り払って、残った体を蹴って回って着地する。


「なぜ、なぜ、お前は言う事を聞かない?」


 潰れて二つになった肉塊の口っぽいとこから声を出してる。グロいな。


「人に言われてなんかすんのは嫌いなんだよ。自分の好きにやらせてくれ」


「我が力は絶対。紡いだ言の葉は結果なはず……グボッ」


 おいおい、まだ喋れるのかよ。


「言った事が現実になる? ふざけんな。そりゃ楽しい事だけにしてくれ」


「なぜ? なぜだ?」


「お前、俺が誰か知らないのか? 俺は荷物持ち。生きてるもの以外、なんだって収納に入れて運べるんだよ。お前の言葉使いの力も入ったよ」


「そんな馬鹿な……まだだ、まだ滅びんぞ」


 ひしゃげて潰れた頭からまだ声がする。どんだけしぶといんだ。その辺りから吹き出した血がカナンに降り注ぐ。不自然だ。血がカナンを狙ってるように見える。カナンはポータルを出して血を収納に入れるが、そのポータルをかわして血が結構かかる。


「うえぇ、気持ちわる……気持ち悪いのはこっちの方だ。お前、男なのに女の格好してるのか……おい何いってるんだよザップ。体も女だって……私の追跡を降りきるために女になってたのか……えっ、ザップも僕を探してたの?」


 なんかカナンが一人で会話してる。しかも内容が支離滅裂だ。表情も、言葉が途切れる度に変わっている。今まで通り、ちょっと穏やかな表情から、きつめの表情に交互に変わってる。


「おいおい、俺は何も言ってないぞ」


「じゃ、この声は誰……私だよ。お前たちが言う所の言葉使い。古き神の一柱……ええー、もしかして、僕、乗っ取られかけてるの……そうだ。時間が経てばお前の体は私のものになる」


 まじか、さっきの血を使ってカナンに乗り移ったのか。ハンマーで精神体も結構削ったと思ったが足りなかったか。けど、カナンに憑依してる状態でダメージを与えたらさすがに成仏するだろう。


「悪いな、カナン。世界と俺の平和のために死んでくれ」


 僕は魔王力を込めてハンマーを構える。






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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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