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 斬りたいものを斬る


「はぁああああーーーーっ!」


 とりあえず気合いを入れてみる。声出しは大事だ。力を入れる時に声を出す出さないで結構変わってくる。

 昔検証したのを思いだす。やっぱり気合い入れる時は語尾が「あ」が気分がでるし、口をおおきく開けて声が出やすい。「い」は口を横に開けるし口を閉じるから声がこもる。「う」は口を突き出すから格好悪い。「え」と「お」も口を開けはするが、「あ」より声ののどごしが良くない。だから語尾は「あ」に決定。

 「あー」はなんか苦しんでるか、びっくりしてるっぽい。「かー」はカラスっぽいし痰がからんでるっぽい。「さー」なんか誘ってるっぽいし、偉い人っぽい。「たー」動きを感じるから、攻撃より、移動やジャンプだな。「なー」びっくり。「はー」これ良き。「まー」驚いてんのか? マザコンか? 「やー」これもアリ。「らー」歌ってんのか? 「わー」驚かせる気か?


 という訳で、「はー」か「やー」だけど、なんか「やー」は嫌がってるようにも聞こえない事もない。


 ベストおぶ気合いは「はー」に決定。けど、イントネーション次第では、疑問浮かべてたりため息っぽくはなるな。

 どうでもいいことを考えながら、剣に力を込める。込めているのは勇者力。魔王力よりは量が少ないが、僕にだってそこそこの勇者力はある。

 手にしてるのはかつて勇者アレフが持っていた『勇者の剣』。そのまんまの名前がすこし哀愁を誘う。

 けど、こいつは便利だ。人気者になって勇者力を溜めると、それを消費して好きなものを切れる。なんと肉や魚の骨だけ切る事もできるんだ。だからいつもはマイがでっかい包丁代わりに使ってる。マイは最近でっかくて不便だから、包丁サイズに作り直そうかとよく言ってる。それ、勇者の剣が可哀想過ぎるだろ。勇者の包丁になっちまう。そして、数百年後の勇者が包丁片手に魔王と戦う事に。

 いかん、集中するとかじっとするのが苦手だから、つい考えがそれちまう。あぶねー。あとすこしで、今回切るものを魚の骨にするとこだった。確かに魚は食べたい。けど、今から斬るものは『声』だ!


 言葉を斬る。


 ずっと考えてた。言葉使いが言った事が現実になる。そんなの倒すの無理じゃん。奴が喋る前にぶっ倒す。それは相手がどんな人か分かって奇襲するなら成功するかもしれないが、それは難しい。奴のスキルをどうにか破らないと解決にはならない。なら言葉を潰すしかない。言葉を消せるもの。そう、僕は好きなものを斬れる剣を持ってる。もしかしたら言葉も斬れるかも。試してみたらやれた。

 よし、溜まった。剣は金色に光る。豚頭に向かって走りだす。豚頭とディーは激しい戦いを繰り広げている。豚頭がこっちを向く。

 

「ザップ・グッドフェロー」


 豚頭が僕の名を呼ぶ!


 くるか! 言霊!


 

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