表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2086/2113

 鶏人間


「我が体、硬きこと金剛の如し!」


 ギィーーーーーーン!


 叫ぶ焼豚、もう火は消えてて所々焦げて煙が出てる。それを引っ掻く白竜のディー。なんか凄い不愉快な音がしたな。まるで、全力でガラスを爪で引っ掻いたような。ディーの手から何かが跳ねる。クルクル回りながら飛んでくそれはそり曲がったブーメランみたいなもの。爪、折れたのか? うわ、痛そう。爪剝げたらむやみに痛いんだよな。 


「グワッ!」


 ディーが口を開けて仰け反る。あ、やっぱ痛かったんだな。けど、その開いた口でそのまま焼豚に噛みつく。よくあんな気持ち悪いもの口に入れようとするな。今や三頭竜の姿は、立ち上がったワニのような体から千切れた蛇みたいなのが三本生えててしかもその一本には爛れた豚の首がついてる。メンタル弱い人だと悪夢に出てくるんじゃねーか? ディーは豚の首に噛みついて、なんかあむあむしてる。硬い骨を噛んでる犬みたいだ。どうやら豚頭には噛みつきは全く効いてないみたいだ。言葉通りめっちゃ硬くなったのか。時たま覗くディーの牙は先端すらも首に刺さってない。やっぱあの言霊使いの能力は厄介だ。もっとバンバン使われたらヤバいんだが、勿体ぶってるってことは、なにか僕らは知らない制約があるのかもしれない。


「トォーッ、トォーッ、トッ、トッ」


 鶏人間が鶏そのものの威嚇鳴きしている。おっと、こっちもなんとかしないとな。さっきから鶏人間がくちばしで突っついてくるのをかわしている。奴の両腕は翼になってて攻撃には使えないみたいだ。なんか人間やめて弱くなってねーか? 僕は隙をみつけて鶏人間を蹴っ飛ばす。また硬い感触。さっきもだったな。もしかして魔法かスキルか? 防御力上げる系の。鶏人間は立ち上がり、僕から距離をとる。



「ファイヤーボーーール!」


 なんと、鶏人間が喋った。声帯どうなってるんだ? しかもその前にでっかい火の球。こいつ魔道士だったのか? しかも球の大きさから、かなりの熟練者。けど甘い。収納のポータルを二つ射出して、一つで飛んでくる火の球を吸い込んでもう一つから出す。見事に球は鶏人間に命中する。


 ドッゴーーーーン!


 おお、大爆発。鶏人間は燃えながらぶっ飛んでいく。焼き鳥完成だ。


 カナンと先生は四対二いや、なんか八対二になってる。ネズミ人間、ウサギ人間、牛人間に、あと猪人間が四人いる。猪人間? あ、そう言えばカナンが相手してたのは四人だったな。見逃してたのか。猪人間が四人って、もしかして分身の術なのか? 忍者と言えば分身。使う瞬間を見たかった。まあ、余裕ありそうだな、あっちは大丈夫そうだ。

 なんか、言霊使い焼豚とディーの戦いが膠着状態になりつつあるな。しょうがないな。真打ち登場だ。対言霊使いの奥の手を見せるとするか。


 僕は収納から一振りの剣を出し、それを掲げる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ