第四部回想 コナンサイド
ちょっと話が戻ります。コナンルート思い出す時間ください。あと、この後、拙作『最強ステータス』の方も投稿するのでよろしくお願いします。そちらはあと10話以内に完結予定です。
「まあ、オイラで役に立つかは分かんないけど、今までの事、話してくれなかなー」
チラチラ踊る炎に照らされてパムが言う。その満面の笑みは純真な子供みたいで敵意や悪意は微塵も感じない。だから騙されるんだろうな。
僕らは今、迷宮の階段前の部屋で焚き火を円座で囲んでいる。ご飯も食べてあとは寝るだけだ。
「嫌だ。役に立つか分かんないんでしょ」
僕はパムの頭を押しのける。近い近い。近づくな。
パムは『カナンちゃんは心は男なんでしょ。男同士のコミュニケーションだよ』とかほざいて事あるごとに抱き着いてこようとする。男同士だから気持ち悪いんだよ。なんか先生に付き纏われてたミーの気持ちが良くわかる。うん、ミーにはもっと優しくしよう。
「じゃ、真面目な話をしよう。オイラは吟遊詩人。沢山の伝説や物語が頭に入ってる。本当のものもあれば誇張されたもの、はては全くの嘘もある。それのオイラの中の真偽はいろんな国で話を聞いたり、図書館で調べたりで精度は高いと思う。カナンちゃんの問題、先生の問題は解決が難しいと思う。けど、オイラの見聞を下に今まで起こった事を精査するだけで、未来への活路は開けると思うよ」
初めて真面目なパムを見た。けど、こう見えてこの人有能な冒険者なんだよね。
「そうだね。みんなで思い出したら、なんか新しい気付きもあるかもだしね」
そして、僕は記憶を頼りに僕に起こった事を話し始めた。
僕には昔の記憶が無い。気付いた時にはパムと同じくらいの背丈の女の子が僕に話しかけていた。彼女はジブルと言った。子供に見えるけど、大人らしい。そこに猫耳の女の子と角が生えた女の子が入ってきた。
「そっかー。カナンちゃんは二人の事知らないんだね。猫耳がマイさん、角が生えてるのはアンさん。二人はザップさんの仲間とも、ハーレムメンバーとも言われてるよ。けど、オイラは知ってる。ザップさんは二人とは友達以上、恋人未満って関係だよ」
パムが説明してくれる。なんかマイさんの事を考えるとモヤモヤする。これってもしかして一目惚れってやつなのか?
そして、ジブルさんが杖を出して、マイさんが光る手でそれに触れたら、僕は森の中に居た。
「それね、ジブルの魔法が暴発したんだよ。カナンちゃんの体、ザップさんの体が行った事がある所にランダムワープしたんだ。だからオイラたちがカナンちゃんを捜すのには手こずったって訳だ」
そっか、ジブルさんの魔法で飛ばされたのか。ひでぇ。
マリンが手を上げて話す。
「けど、暴発してランダムワープって事は何処かにワープしようとしたって事でしょ? 何処にワープしようとしてたの?」
「そりゃ、ジブルの自分の隠れ家だよ。ジブルはそこで、男のカナンちゃん、コナンだよね。そのコナンを匿って自分好みの男に仕上げようとしてたんだよ」
こわ。森にワープさせられたって聞いて少し苛立ったけど、良かったワープして。幼女に監禁されて飼育されるとか地獄だろ。
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