夜の店
「ザップさんって凄い冒険者さんなんでしょ」
僕の隣に座っている女の子が僕の腕にしがみついてくる。ヤバい見れない。女の子はガバッと胸が空いてる服を着てて、胸の谷間がめっちゃ見えてる。しかもそのやらかいもの、当たってるよ僕に……
「おいおい、ザップ、大丈夫かよ。ガチガチじゃねーか。もっとリラックスしろよ」
ポルト奴が何か言ってやがる。この前のクエストのお礼って事で、奴に呼ばれてやって来たが、よもやこんな店だとは……
ここはキャバクラと言うお店だ。昔、前のパーティーメンバーの勇者や戦士ダニーが通ってるのを店の入り口で待ってた事はあるが、実際に客として入るのは初めてだ。
なんて言うか、お酒を飲みながら女の子にチヤホヤして貰える店って言うのは知ってたが、ここまで凄いとこだとは思って無かった。少し暗めの店内で、いろんなものがキラキラしている。そして、化粧が濃いめの女の子たちはみんな可愛く見える。とは言っても、暗くてばっちし化粧したら、誰でも可愛く見えるのかもしれないが。それに、胸元が空いて丈が短いドレスをみんな着てるので、その露出度の高さがまた、女の子を魅力的にしている。僕はドキドキしっぱなしだ。
「そんな、凄い冒険者なんかじゃないですよ……」
ダメだ。思うように喋れない。これはもうお酒の力を借りるしかないか……けど、飲んだら間違いなくすぐ寝てしまうもんな。
「うわ、すっごい。腕も胸もすっごい筋肉」
女の子が僕の腕や胸をさわさわ触ってくる。その非力な触り方に更に頭がパニックになる。僕の周りの女の子は力が強い奴ばっかだから新鮮だ。ヤバい、女の子がめっちゃ可愛く見える。
「おいおい、俺だってガチガチだぜ」
ポルトがだらしない腕をむき出す。
「ポーちゃんもムキムキねー」
ポルトの横に座っている女の子が、ポルトのだらしない腕を揉んでおべっか言ってる。ムキムキちゃうブヨブヨだ。
「あ、そうだ。ザップには強い酒飲ませるなよ。コイツ、酒弱いからな。酔ったら人格変わるからあんまり飲ませるなよ」
「おいおい、そこまで酒に弱くはねーよ」
僕は女の子が作ってくれたお酒をグビッと飲む。あれー、これもしかして強い酒? 僕の喉がカーッと熱くなる。
「おい、お前、そんなに俺にしがみついて、もしかして俺の事好きなのか?」
俺様は、しがみついている女の子の頭を撫でてやる。女の子は頭を撫でられてまんざらでも無さそうだ。
「手遅れか?」
ポルトが失礼な事を言う。何が手遅れなんだよ。
「ザップが俺様モードに入っちまった。コイツ、こうなるとウザいからな」
それからの事は覚えて居ない。けど、気がついた時には、僕は家で寝ていた。嫌な予感がして財布の中身を確認するが、ほぼほぼお金が入って無い。ポルトの奢りだったはずなのに。多分格好つけて使っちまったんだろ。かなりお金入れてたのに。キャバクラ恐るべし。けど、ほんの少し、また行ってみたいとは思った。
新作始めました。ハイファンタジーです。
『最強ステータス冒険者の勘違い旅 【泥率アップからの成りあがり。ハズレスキルで追放されたけど、レアアイテムゲットで最強に】』
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