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 トレーニングオンアイス 後


「マイも訓練に参加しないか。意外に楽しいぞ」


 完全に嘘だ。辛いだけだ。道着一丁の僕に対して、厚着してスケートしてるマイに少し嫉妬的なものを感じたからだ。

 マイは話しながら僕を中心に滑って回る。


「嫌よ。さすがに氷の上で道着だけは無しかなー。転んだら痛いし。それに、氷の上でもし戦うなら、裸足じゃなくてスケート靴履いた方がいいに決まってるじゃない」


 まあ、確かに、スケート出来るなら、その方がいいな。

 デルが普通に歩きながら近づいてくる。


「マイさん、トウピックは滑るためのものじゃないですよ。ジャンプとかするためのものです」


 トウピック? なんだそりゃ。トウが西方語でつま先だからつま先の何か。あのギザギザの事か? 確かにマイはギザギザで氷を掻いて進んでいる。


「じゃ、どうやって進むの?」


 マイがデルに尋ねる。スケートの刃って文字通りナイフのようなもんだよな。それを靴につけてもどうやって進むのか見当がつかない。


「マイさん、こうやって、足を横にして、エッジを進行方向に対して直角に氷を押すようにして進むんですよ」


 そっか、刃を横にして氷を削るようにしたら抵抗が出来るから前に進むな。僕もそうすれば横にした足裏全体で氷を蹴る。うん、普通にするよりは滑らないけど、所詮裸足、少しましになったくらいだ。デルはどうやって滑らない歩き出方してんだろう?

 近づいて来るデルの足下をよく見てみる。ん、足が地面に付く前に、足の指を丸めている。更に良ーく見る。あ、氷に足が付く前に、足の爪を押し出すようにして氷を削っている。そうやって氷に傷をつけて氷の抵抗を増やした所を足場にしてるか滑らないのか?


「少しオーバーアクションにしたから気付いたようですね。これが私達の間に伝わる、氷上歩法です。爪を使えば簡単に氷は削れますから、少し練習すれば誰にでも出来ます」


 僕、それと戻って来たレリーフとパムで練習してみる。無理だ。何回やっても足が攣りそうになる。何が簡単なんだ? 当然、レリーフもパムも会得できなかった。これは毎日練習しないと出来るようには成れ無さそうだけど、出来るようになっても氷の上で裸足で滑りにくくなるだけ。役に立つのか? それにデルはこのためにどれだけの努力をしたのだろうか?

 

 パンパンッとデルが手を叩く。


「まあ、その歩法は今後の課題として、さすがに転んでばかりでは練習にならないので、こちらを装備してください」


 デルが僕らに渡したのはスケート靴。用意がいいな。


「さすがにスケート靴での格闘は危険なので、今日はスケート講座に変更です」


 おお、デルが格闘から離れるのは珍しいな。けど、こっちの方が有益そうだ。

 デルはスケートも得意で、僕らは色々教えてもらった。僕も滑れるようにはなったけど、どうしてもストップが出来ない。みんな出来るようになったのに。



 

 


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