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 トレーニングオンアイス 中


「では、次はザップさんの番ですね」


 レリーフは押されて滑って転倒して遠くまで行ってしまった。パムも遠くでツルツルしてる。まあ、胸を借りるつもりで組み手するか。その前に。


「なあ、デル、もしかしてエルフって氷の上でも戦う訓練してるのか?」


「はい。冬になると毎年、雪中戦や、氷上戦の稽古をしていたものです」


 雪中戦? なんだそりゃ、雪降ったら大人しくしとこうよ。遭難するぞ。氷上戦って、さっきも思ったけど、ニーズ無いだろ。魔物だってわざわざ氷の上じゃ戦わないだろ。氷の薄いとことかあったら、冷たい湖に落ちて命の危険性もあるんじゃないか?

 

「そっか。氷の上でも戦うトレーニングしてきたのか」


「はい、私達は如何なる環境でも戦えるようにトレーニングしてます。まあ、戦いにおいての基礎は、自分が得意な環境に持ち込む事ですが、その前提にどんなとこでも戦いに巻き込まれる可能性はあります。その時に十全とはいかなくても七全、八全くらいには戦えるように訓練するのは当然の事です」


 今の言葉から、デル自身もわざわざ氷の上で戦うんじゃなくて、そうせざるを得ない時のためとは思ってるみたいだ。戦闘狂ではあるけど、僕らの中ではかなりの常識人だからな。


「ちょっとさ、やり合う前に、なんかコツ的なものは無いのか?」


「当然私達には先達の知恵がありますが、まずは見て、それが何か考えてください。その技術が本当に欲しいと思った時の方が上達が早いですから」


 むー。もったいぶりやがって。教えてくれないって事か。けど、デルが言う事にも一理ある。興味ない事とか聞いてもすぐ忘れるもんな。まあ、とりあえず、動いてから考えるか。


「行くぞ!」


 両足で思いっきり氷を蹴って突進する。なんかスカって思ったよりスピードは出ないけど、まあ十分だ。右ストレート。最初はデルに向かって殴りかかるのは、さすがに女の子相手だから躊躇ってたけど、今は遠慮なしだ。スキル無しだと負ける事が多い。デルが怪我する事は予想出来ないけど、もし、そうなったとしても、僕の収納には無尽蔵のエリクサーがある。

 デルはスッと横に移動してかわす。僕は前に転倒する。デルに足を引っ掛けられた。くそう。デル、全く氷の上に居るって事を感じさせないな。いつも通りだ。僕なんか今滑ってくのを体全体でなんとか止めたのに……


 シャーッ。ジャジャッ。


 なんとか起き上がった僕の前にマイがやって来る。今の軽快な音。それを発してた足にはスケートシューズが履かれている。シューズの刃の先にはギザギザがある。フィギュアスケート用のシューズだな。王都にはスケートリンクもあるからそれくらいは知ってる。


「うわ、ザップ、びしょ濡れじゃない。格闘技講座終わったら一緒に滑りましょ」


 マイが僕を覗き込んでくる。んー、一緒に滑りましょって言われても、僕はスケートなんていう貴族のスポーツはやった事無いんだよな。



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