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 骨身に染みる 7


『よし、俺は左、お前は右をやれ』


 ポルトの言葉に僕は肯く。僕らは草むらから飛び出し二匹のゴブリンへと駆け出す。



 僕らはギルドで、はぐれゴブリンの討伐の依頼を受けて王都の北西の平原にやって来た。数日前、騎士団による森の魔物の掃討作戦で打ち漏らしたゴブリンの討伐だ。弱ったゴブリンを狩るだけの簡単なお仕事だ。当然報酬は雀の涙だ。ジブルの持ってる魔法の絨毯でその目撃ポイントまでやってきて、うろつく事数十分、比較的簡単に見つかった。敵は二匹。武器は僕もポルトもショートソード。スケルトンの腕力で自在に使えるのはこれが限界だった。ハンマーとかは体中を持っていかれる。僕とポルトで一匹づつ倒し、ジブルは見学する事になった。まあ、スケルトンジブルはよわよわだけど、ヒドラ形態、ドラゴン形態とかは反則だもんな。



「カチカチカチカチ」


 せっかくだから、なんか鬨の声っぽいのを上げたいとこだけど、んー、喋れないんだった。なんか締まんないな。

 ショートソードを振り上げてゴブリン向かって駆けて行く。といってもこれ、早歩きくらいのスピードだぞ。

 確かにスケルトンは弱い。ところで、ゴブリンとスケルトン、どっちが強いんだ? 体感的にはゴブリンの方が強かったような?


「ギギャッ」


 ゴブリンがこっちを見る。相手の装備は腰蓑にダガー。体には擦り傷が所所あり、泥に塗れている。それに動きに覇気が無い。明らかに疲れている。なんか少し可哀相にも見えるが、コイツらを放置したら、どっかで悪さをする。悪いが死んで貰う。

 僕は剣を振り上げゴブリンに近づく。練習で剣を振ってみたが、振り下ろし以外の方法は体が流れる。スケルトン自体の重さが無いし力が無いから横薙ぎだと空振りすると体が回ってしまう。消去法で振り下ろししか無い。スケルトン不便だ。


「ギャッ」


 ゴブリンがダガーを突き出して牽制してくる。その表情は侮蔑。明らかに舐められてるな。収納を使って秒殺してやろうかと思ったが、我慢。これはスケルトンプレイ。せっかくだから楽しまないと。ゴブリンが間合いに入って来た。


 ブン!


 単純に剣を振り下ろす。ゴブリンは横にかわす。剣を引き突く。かわされて、前に伸びた腕をゴブリンが斬りつける。


 ギンッ!


 さすが僕の骨。固い。ノーダメだ。体を引いて剣を振り上げる。振り出しに戻ったな。とにかく動きが遅い。ゴブリンに攻撃を当てる方法を思いつかない。だが、ゴブリンの攻撃ではかなり良い感じに入らない限り僕にはダメージは入らなさそうだ。


 どうする?


 けど、ワクワクする。一進一退の攻防はいい。強く成りすぎて最近は感じられなかったものだ。スケルトン、悪くは無いな。





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