骨身に染みる 5
『ほら、ザップ、見て分かんないの?』
僕はジブルの鎖骨を見る。うん、鎖骨だ。
『私と、王様を比べて見て』
ジブルの鎖骨と、ポルトの鎖骨を見比べる。ポルトの骨は太いな。
「ジブル、お前、骨細いんじゃないか? お前、菓子ばっかり食って偏食激しいからな」
『余計なお世話よ。私の骨が細いのはホップだからよ。やっぱり分かんないのね。ほらほら、王様の鎖骨は逆ハの字だけど、私の鎖骨は横にまっすぐでしょ。まあ、男っぽい女の人もいれば、女っぽい男の人もいるけど、だいたいそうなってるのよ』
僕はジブルの鎖骨を見る。うん、ほぼ水平で右左で真っ直ぐだ。それに比べてポルトの鎖骨は体から外側が上に上がっていて、ジブルが言うように逆ハの字を描いている。まじか、男女で鎖骨の形に差があるなんて、今まで一度も気付かなかった。これを活用すれば、男の娘や、綺麗なニューハーフのお姉さんも性別丸わかりだな。まあ、もっとも鎖骨を出す服を着てる前提だが。いや、薄着だと鎖骨が浮き出るから分かるな。
僕がジブルとポルトの鎖骨を見比べてるのを見て、ジブルがうんうん肯いて居る。そして喋り始める。
『これでザップも今後スケルトンを見て男の子なのか女の子なのか分かるでしょ。良かったわね』
「んー、何がいいんだ? スケルトンの性別が分かって何のメリットがあるんだ?」
『そりゃ、男の子だったらガシガシぶっ倒せしていいけど、女の子だったら優しく倒したり、配慮してあげれるわ。女の子に優しい男はモテるわよ』
んー、性別分かっても倒すのは変わんないから、なんか嫌な気分になるだけだな。スケルトンでも相手が女性だって思うと、胸とか骨盤とか叩くのに躊躇しそうだ。こんな話聞かなけりゃ良かった。
腕を組んでた骨王が話し始める。
『そっかー。そういう見分け方があるんだな。城には護衛のスケルトンも居るんだが、今日帰ったら俺専用の護衛は女性のスケルトンだけに厳選しよ』
まじか、こいつ女だったらスケルトンでもいいのか? 本当に見境が無いな。
『で、どうすんだ? ザップ、お前もスケルトンになってみるか?』
なんでこんなにポルトは僕をスケルトンにしたがるんだろう? 多分なんかよからぬ事を考えてんじゃないか?
「いや、だから興味無いって。お前らだけでスケルトンを楽しんどきゃいいだろ」
『いや、ザップ。まじでスケルトンいいぞ。俺は見ての通り全裸だが、全く寒くないぞ。多分暑いのも感じない。それだけじゃない。俺を見て、女の子がキャーキャー言ってくれる。まあ、俺は普段でも騒がれるんであんまり変わらないがな』
嘘をつけ。ポルトが女の子にもててるのなんか見た事ねーよ。それに、スケルトンで騒がれるのは悲鳴だろ。
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