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 骨身に染みる 1


「おい、ジブル!」


 通りを歩いてたジブルが振り返る。ジブルかどうか自信は無かったけど、振り返ったからジブルに違いない。

 僕は今、王都のカフェのテラスでコーヒーなど嗜みながらちょっとリッチな一時を過ごしている。ここのカフェじゃ、立ち飲みのコーヒーは銅貨2枚なのに、なんとテラスのチャージは銀貨1枚、要はコーヒー5杯分の値段しやがる。昔、あんまりお金を持って無かった時は、死んでもテラスには座らんって思ってた。けど、ちょっと余裕が出来て利用してみると、あくせく通り過ぎる人々を見ながらテラスで飲むコーヒーは、なんて言うか豊かさ的な余裕的なものを感じて悪くは無いって思えるようになった。大人になったって事だろう。ちょっと勿体ないからもっと座っていたかったけど、伝票の下に料金を置いて席を立つ。なんかジブルがやらかしそうで、少し心配になった。とは言ってもだいたい尻ぬぐいは僕なので、奴を心配した訳じゃない。 自分自身のためだ。

 奴は導師ジブル。東方諸国連合の一国の魔道都市アウフの魔道士学院の教授にして、かの国の評議会の一員だ。要は力がある国の重鎮とも言える。

 それが、ガイコツにフード付きのローブという姿で王都のメインストリートを歩いている。

 奴は魔道都市での禁忌の実験により、スケルトンに変身したり、ヒドラになったり、最終的にはドラゴンになったりする訳が分からない生き物だ。

 元は子供族という、成人しても10才前後にしか見えない種族で、見た目は意外に可愛らしい。

 それが、スケルトンの顔丸出しで歩いている。


『なんなの? ザップ』


 スケルトンジブルは話せない。だから魔法で直接空気を震わせて声を出すという器用な事をやっている。これがまた厄介で、練習したら誰の声でも出せるからタチが悪いイタズラされる事も多々ある。


「なんなのじゃねーだろ。そのなりで、王都を歩いてたら魔物と間違われるだろ」


 そう言う僕にジブルは骨の手で、首にかけてる首輪を取り出す。ん、あれは従魔、要するに誰かの使い魔だから安全ですよっていう証の首輪だ。


「お前、いつから従魔になったんだ? ていうか従魔って事は主人は誰だ?」


『私よ、私に決まってるじゃない』


 ん、ジブルが従魔で、その主人が自分? 相変わらず訳わかんねーな。けど、僕が主人じゃないってだけで少し安心した。奴が何かやらかしても責任は取らなくて良さそうだ。


「まあ、それは置いといて、何してんだ?」


『何って決まってるじゃない仕事よ仕事』


 ん、スケルトンに出来る仕事ってなんかあるのか?



 


 読んでいただきありがとうございます。


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