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 森人の国32


「おのれ、ちょこまかと。卑怯だぞ。正々堂々正面からかかってこい」


 皇帝が息を整えながら言う。僕らは小休止とばかりに、対峙して構えている。


「やなこった。お前、力強すぎるんだよ。その前に魔法使ってるお前の方が卑怯だろ」


「なら、お前も魔法を使えばいいだろ」


「そうしたいのはやまやまだが、全裸になるだろ」


「そうだったな。じゃ諦めろ。行くぞ」


 突進してくる皇帝。だがさっきまでとなんか違う。けど、関係なく容易に後ろに回る。皇帝が遅いんじゃない。収納に前の空気をいれて後ろから出す荷物持ち走りが速いだけだ。


「かかったな」


 皇帝の姿がぶれる。そして黄金の光が膨れ上がる。やりやがったな。けど、予測はしてた。大声で叫びながら跳び上がる。


「みんな下がれ!」


 皇帝が居た所を中心に、金色のドラゴンが現れた。やっぱやったか。僕は頭の上に収納のポータルを出し、それを思いっきり押して急降下し、ドラゴンの頭を殴り着地する。


「馬鹿野郎! お前ルール知らないだろ。相撲ってのはな。土俵から出たら負けなんだよ」


 土俵の上に黄金竜はいるんだが、その四肢は当然土俵の外だ。変身の時に何人かそばに居たエルフは吹っ飛ばされたみたいだが、ほとんどの人はちゃんと逃げてた。まあ皇帝が爆発したように見えたし、僕が叫んだしな。


「ほら、邪魔だからさっさと戻れ」


 黄金竜は肯くと、その姿が縮み、皇帝に戻る。当然まわしは弾け飛んでるので、即座に収納から腰巻きを出して皇帝に巻く。手間がかかる奴だ。


「俺は、また負けたのか?」


 皇帝は呆然としてる。


「相撲って背中がついたら負けじゃないのか?」


「そういうルールのもあるけど、ここじゃ、足の裏以外が地面についたり、土俵から出たり、まわしが外れたら負けだ。お前は土俵から出たし、まわしも外れたからかんっぜんな負けだ。それより、お前、国で予選があったんじゃないのかよ?」


「いや、俺が出るって言ったら全員棄権した。だから、今のが初試合だ。そういうルールだったのか。分かった。じゃ、もう一回やるぞ」


「しねーよ。それより、お前、観客何人か吹っ飛ばしただろ。しっかり謝れよ」


「ああ、そうだな、つい、昂ってしまって。悪かった」


 皇帝は観客に向かって頭を下げる。まあ、コイツはバトルジャンキーなだけでそこまで悪い奴じゃないからな。


「じゃ、体動かした事だし帰るわ。また次の大会あったら来るわ」


 皇帝はそう言うと、その場から大きく跳び上がる。そして、豆粒みたいになったと思ったら、大きな金色の竜になり飛んで行った。


「あいつ、何しに来たんだ?」


 僕は呟くが、みんな僕から離れてるから、誰も答えてはくれなかった。

 


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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