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 森人の国 29


「大会などまだるっこしい!」


 皇帝が叫ぶ。耳を塞ぎたくなる程うるさい。なんか声がデカいってだけで、おバカっぽく見えるのは気のせいだろうか? まあ、皇帝はおバカだと思うけど。


「ザップ。私とお前の勝負が優勝決定戦だ。今すぐここで立ち会え!」


 なんか、わがまま言ってるな。せっかくエルフさんたちが大会やってるのに台無しにするなよ。それに大会は明日の予定だ。今日から参加者が入村してくる。多分知り合いが来るから、今日は飯食って話しながらゆっくりする予定だ。皇帝と相撲なんかとってる暇は無いのだ。


「おいおい、待てよ。お前はもっと協調性持て。みんな困ってるじゃないか」


 とりあえず大人な対応しておく。


「協調性? それはお前だけには言われたく無い言葉だな。いつも好き勝手やってるくせに」


 皇帝から見ると、僕は好き勝手してるのか? ちょっとショックだ。まあ、確かに盗賊都市ではちょっとやり過ぎたもんな。


「俺は皇帝だ!」


 皇帝が叫ぶ。分かってるって。


「仕事が実は沢山ある」


 そうだろうな。


「だから、さっさと勝負して帰らねばならんのだ!」

 

「知らんがな! じゃあ帰れ! 今すぐ帰れ!」


「だが、その前にエルフの生活を少し体験してはみたい」


「じゃ、明日、大会までゆっくりしろよ」


「まあ、そうしたいんだが、これ、なんかせんと収集つかんぞ」


 皇帝は辺りをぐるりと見渡す。いつの間に遠巻きにエルフが集まってる。そりゃそうだよな。ここの連中は無類の相撲好き。金色のまわしをつけた、マッチョな強そうな奴が土俵に居たら集まるわな。


「じゃ、1人で相撲をとれ。エア相撲、いや、文字通り一人相撲だな」


 なんか我ながら、結構気が効いた事言えたと思ったんだが、周りのリアクションはいまいちだ。滑ったのか?


「舐めるなよ。俺がそんな器用な事出来ると思うなよ。諦めろザップ。グダグダわがまま言わずにかかってきやがれ!」


 いつ僕がわがまま言ったんだ? わがまま言っのはお前だろ。


「そこまでよ。私がお前の相手をしてやる!」


 澄んだ声が響き渡る。この声はデル。どこに居る?


 タタタタタッ。


 黒マントに身を包んだデルが、群衆の中から駆け出して来る。そして土俵に上がる。そしてブワサッとマントを脱ぎ土俵の外に投げる。


「これなら問題無いでしょ」


 皇帝の横にはまわしだけのデル。まわしの普通腰にまいてるとこを胸のとこで巻き、T字型の服を着ているようになっている。斬新だ。こんなまわしの付け方もあるとは。確かにこれならまわしだけしか着けてない。ルール的には問題無いな。


「問題大有りだろ」


 皇帝が真顔でツッコむ。多分、いつもツッコまれる側だから、戸惑ってるんだろう。




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