森人の国 23
最終原稿を出版社に送って、それが次は印刷所で紙になって、修正されたのが私のとこにくるそうです。それを待ってるとこです(^_^)
「えっ、何、何っ?」
マイが岩山の上で狼狽えている。なんだ? もしかして岩山が崩れるのか? 収納に入れようとするが弾かれる。
「マイ! 飛べ!」
マイの動きが止まる。
「分かった」
マイは岩山の上に立つ。バスタオルを巻いただけだ。明るかったらヤバいものが見えたかも。そしてそこから飛ぶ。良い感じだ。丁度僕の真上に落ちてきそうだ。
「キャッ」
即座にタオルが剥がれる。けど、裸だったのは一瞬。白い水着が現れる。そう、マイは収納からの服の換装は完璧だ。僕は跳び上がり落ちて来たマイをキャッチする。怪我させないように柔らかく。
バッシャーン!
着地してお湯が舞う。気付かなかった。水の底が滑るって事に。着地した瞬間後ろに転ぶ。マイを抱きしめてるから手が出ない。そのまま底で頭を打ったけど、水の抵抗のおかげで大して痛くは無かった。頭打った衝撃でマイを離してしまった。ああ、数少ない触れ合いが……
「ザップ、大丈夫?」
僕はマイに手を引っ張られて身を起こす。そういえば岩山はどうなったんだ? 見ると、浴槽に巨大な石で出来た巨人が立っていた。ゴーレム? ゴーレムなのか? そうか収納に岩が入らなかったのは魔法生物だったからか。多分、覗き防止のためのガーディアンだと思う。マイが口に手を当てて話しかける。
「ねぇ、あなたなんなのー?」
ゴーレムの頭は遠いから声を張ってるんだろう。ゴーレムはこっちに頭を近づける。ちょっと威圧感はあるが、凶暴なゴーレムを風呂の仕切りにはしないはずだ。
「私はここの温泉の守護者。覗きを行おうとする不届き者から女性の裸を守るのが仕事です」
見た目より流暢にしゃぺりやがる。けど、どっから声出てるんだ?
「そうなのね。大丈夫。ここには覗きをするような人は居ないわ」
「そうですか。それはよかった。けど、疑問があります。なんであなたは女性なのに男湯に居るのですか?」
「それは、あなたが急に動いてびっくりしたからよ」
「そうですか。それではなんで、あなたは男湯を見てたのですか? 初めての事でどう対処したらいいか私には分からなくて」
「そうねー」
マイはお風呂の中に落ちてたタオルを拾って巻く。
「なんかあなたみたいに大っきなゴーレムと一緒にお風呂入ってたら景色を楽しめないから、あたしたちが入ってる間は少し散歩でもしてきてくれない?」
「畏まりました。私は女性を守るために作られました。女性の言う事には犯罪行為以外には従うように言われてます。それでは、ぜひ、いいお湯を」
そう言うと、ゴーレムは歩いて出て行って、柵を越えて歩いて行った。なんだったんだよ。
「ほら、ザップ、お風呂広くなったよ。浸かり直そ」
マイに手を引かれて、浴槽の真ん中に行って浸かる。なんかいい意味でも悪い意味でも夢みたいだ。
新作、なんとか毎日投稿中!
「秘めたるスキルで異世界冒険」です。全50話予定だったのにもう過ぎてます。あと10話くらい伸びそうです。
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読んでいただいてありがとうございます。




