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2027/2114

 森人の国 20


「ザップ!」


 僕はマイに手を伸ばす。僕の足下には魔法の絨毯。ここに来る時に魔道都市から借り出したものだ。それに立ってテラスの外に近づく。


「驚かさないでよ」


「悪い、悪い、じゃ行くよ」


 マイは怒ってるというか拗ねてる。けど、マイはテラスに乗り出して手を伸ばす。ひょいっとマイはテラスを乗り越える。そしてすぐに絨毯を加速する。僕らは絨毯に座って、空へと舞い上がる。下には黒い海みたいに林冠が広がり、僕は高度を上げていく。みるみる地上から離れ、雲を突き抜ける。辺りは全て星、雲がチラホラと海に浮かぶ島みたいに流れている。少し寒くなってきたので、収納から毛布を出してマイと包まる。ゆっくりと飛びながら空を眺める。


「星ってなんなんだろね」


 マイが呟く。


「昔、ジブルが言ってたけど、あの一つ一つが太陽より大っきなものなんだって。けど、とてもとても遠いから粒にしか見えないらしいよ」


「あれが太陽? それにしては暗いわよね」


「世界はほとんどが暗いんだって。それで光が当たってる所だけ明るいって言ってたな」


「なんかそれって怖いわね。世界は夜ばっかりって事?」


「そうだけど、夜も闇も少しの光で明るくなる。夜や闇ってなんか怖いかもしれないけど、必要なのは少しの光。それだけで明るく暖かくなる。なんていうか、生きてるっていうのもそうだよな。辛い事、きつい事ばっかりだけど、少しの楽しい事、嬉しい事があるだけで、なんか頑張ろうって気分になれるよな」


「そうだよね。なんか夜や闇って少し怖いけど、周りの星、綺麗だわ」


 数えられないくらいの星がキラキラとまたたいている。宝石が降ってきてるみたいだ。なんか少ししんみりしたけど、良い感じにマイのテンションが上がって来たように思える。

 なんて言うか、星を見るってロマンチックな事だと思うけど、なんか女の子って綺麗なものは好きだけど、星が大好き毎日見たいって人は少ないよな。僕の持論だけど、やはり夜や闇って人じゃなくて獣や魔物に有利な世界。だからそれを連想する星ってどっか心に畏怖みたいなものを齎すんじゃないだろうか? 僕みたいに、夜の闇をなんとも思わない、むしろ紛れられるし、静かだし好ましいと思う人じゃないと、呑気に星が綺麗だな、いいなって思えないのかもしれないな。

 どうだろう、マイは。なんかネガティブな感じになったから、そこまで星が大好きって感じじゃないのかもな。まあ、星空ドライブ、悪くは無かったけど、次に行くか。


「マイ、どこに向かってると思う?」


「うーん、里かなー?」


「正解。けど、体冷えたな」


「そうね、デルが言ってた露天風呂に行ってみる?」


 なんと言わせたっぽいけど、歴史地区のお風呂は露天風呂なんだ。実は寒空をドライブした目的のうちの一つはこれだ。


 



 


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