森人の国 19
しばらくずっと推敲してたので、終わってほっとしてます。原稿送った時には開放感で、周りの何もかもが綺麗に見えました。やったー、って感じです。受験が終わった時のようなキラキラ感でした(^-^)
良く聞く話にこんなのがある。
彼女が出来たらモテ始めた。
結婚したらモテ始めた。
まあ、僕の場合も当てはまる。マイは彼女でも、ましては嫁でもないけど……
(僕の中では、彼女と言うか嫁に近いものだと思ってるけど、マイがどう思ってるのかは怖くて聞けない)
マイと暮らし始めてから僕の周りは女の子ばっかになった。
て言うか男友達が居ない。強いて言えば王国の王様のポルトだけど、なんか友達と言うには少し違う企業がする。『〇〇野蛮隊』というゲスネームのパーティーメンバーのレリーフとパム。友達と言うより後輩だな。それに、奴らとは友達とは思われたくない。
どこでもかしこでも人目をはばからず筋トレしまくる筋肉魔神のレリーフ。
子供族で天使のような姿と天使のような歌声の吟遊詩人だけど、王都を代表する性犯罪者で留置場が宿屋代わりの変態玄人のパム。奴らとは一緒にいるだけでいつも顔面ファイヤーものだ。アイツらが明日、嬉々として相撲を取りにくると思うと気が滅入る。知らない人の振りして遠くから眺める事にしよう。当事者だと笑えない事も、傍観者だと面白い事が多い。僕の周りを見るに、強い力や才能は羞恥心と引き換えにしか手に入らないのかもしれない。
それはそうと、マイと連れるようになってから多分モテ始めた。それまでは、妹とお店の人と、前のパーティーの女性と言うか動物のようだった魔法使いポポロッカと聖女マリアベルぐらいとしか話す事もないし話しかけられもしなかった。
その理由はこんな感じだと思う。彼女が居ない時ってどうしても女の人が気になって、なんて言うか女性的な体の場所に目が行きがちになる。それがまずはモテないポイントなんだろう。親しくない人からジロジロ眺められたら好感持てないもんな。
あと、彼女がいなかったら、女の人に無意識にアピールとかアタックとかしがちになる。やっぱそういうのがモテなかった原因なんだと思う。
ちょっと話がずれたけど、マイから見て、マイに興味がなく、ストイックに強さを求めていたあの時の僕は、それが魅力的だったのかもしれないと今は思う。
おっと、考え込み過ぎた。思考加速してるって言っても、マイに退屈させたかも。
「じゃ、そろそろ行くか?」
「んー、まだ居ようよ」
「どうしようかなー」
そう言いながらも僕は立ち上がり、テラスの縁の手すりに乗る。
「ザップ、危ないよ」
「大丈夫だって」
僕は手すりの上を移動する。そして一陣の強い風。
「うわっとっとっと」
ふざけ過ぎた。落ちる落ちる。
「ザップ!」
マイが手を伸ばすけど、届かない。僕はバランスを崩して落ちていく。
始まりも落ちてからだったな……
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