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2019/2115

 森人の国 12


「何言ってるの? なんであたしがデルと相撲とらないといけないのよ! そもそも、あたしには何のメリットも無いわ」


 とか言いながらもマイは立ち上がっている。なんだかんだで、マイも力比べ系は好きだ。押したら靡くんじゃないか? 


 デルがマイを見ながら拡声器を口の前に持ってくる。


「いえ、メリットはあります。私を倒したら、今期のこの里の最強の力士の称号『横綱』という敬称を手に入れる事ができます」


「そんなの要らないわ。何のメリットがあるの?」


「最強。それは誰もが求める素晴らしい称号です。今、マイさんの二つ名は『首狩り』という、物騒なものです。それが私に勝ったら、『大横綱マイ』って呼ばれる事になるでしょう」


「ナニソレ、悪口? 『大横綱マイ』って、なんかめっちゃちゃんこ鍋食べたりする大食いの人か、女の子なのに、まわしで戦いまくる羞恥心無い人みたいじゃないの」


 うん、『大横綱マイ』、なんとも言えないな。男の僕ですら『大横綱ザップ』とか呼ばれるのは抵抗がある。


「はいはい、マイ姉様、メリットならありますよ」


 ドラゴン娘アンが手を上げる。


「優勝したら、デルを貰えるそうじゃないですか。お嫁さんゲットですよ」


「余計、戦うメリット無いわ!」


 マイはやる気を失って座り込む。


「それなら、この里に伝わる素晴らしい魔道具をつけよう!」


 復活したデル父が、マイに話しかける。


「どんなものなのか、内容次第ね」


「『剛力のまわし』。装備したら、筋肉が付きやすくなる」


「要らないわっ! 相撲なんかに関わりたくないわ。もう、帰る」


 あ、マイ、かなりおこだ。立ち上がってござから降りて靴を履き、居住区の方に向かおうとする。


「逃げるのですか?」


 デルが拡声器でマイの方に話しかける。あ、それ、まずいと思うよ。マイ、かなり不機嫌だから。


「逃げる? 誰が? どうして?」


 マイがデルに振り返る。更にマイが低い声を出す。


「あたしが、最近怒らないからって、みんなちょっと調子乗ってるんじゃないの? 相撲? なにそれ、首、切り落としていいの? しょうがないわね。たまには本気出したげるわ」


 マイはそう言うと、ゆっくり靴と靴下を脱ぐ。土俵は土足厳禁だもんな。そして、それを収納に入れると、歩き出して土俵に上がる。マイとデルは睨み合う。


「あんたのルールに合わせてあげるわよ」


 マイは土俵で立ち会いのポーズを取る。やっぱ相撲は女の子がやるもんじゃないな。今日のマイはショートパンツにシャツだけど、足開いて前かがみのそのスタイルは刺激的すぎる。

 


1年ぶりくらいに、新作投稿中です!


「秘めたるスキルで異世界冒険」です。全50話予定で、今34話です。

 よかったら、下のリンクからちょっと覗いて見て下さいm(_ _)m


 https://ncode.syosetu.com/n4087jo/


 読んでいただきありがとうございます。

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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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