森人の国 7
そして、僕らはデルの家に厄介になって、次の日はデリルルルの村、面倒くさいのでデリの村の大会代表を決める決勝戦を見る事にした。
デルには弟と妹がいて、お母さんは、デルそっくりで、双子と言われても分からない程だった。ご飯は普通に王都で食べてるものと一緒で、マイのおかげで舌が僕は肥えてるので、失礼だけど無難に美味しかった。デルがなんで草や虫しか食べてないって言ったのかは謎だ。それとなくデル母に聞くと、昔はそうだったけど、近代化の波で、最近はそういう食生活のエルフは森でサバイバルしてる人だけらしい。
「それでは、デリルルル最強の相撲戦士を決める、決勝戦始まりまーす」
愛嬌のある露出度高めの服を着たエルフのお姉さんが拡声の魔道具を手にしている。相撲に可愛い女の子の実況。これも近代化の波か?
僕たちは、土俵の回りに敷かれたゴザに座っている。かぶりつきの特等席だ。どこにこんなに人が居たんだろうと思うほど、たくさんのエルフが土俵を囲んで座っている。まじ、大人気だな。相撲。
金髪サラサラロングヘアーで超絶イケメンの細マッチョのエルフと、熊と見紛う程のゴリマッチョのエルフがまわし一丁で土俵に上がる。実況のお姉さんが名前を呼んでいたが、デフなんとかと、デキなんとかって名前で、紛らわしいのですぐに忘れた。相撲の行司はデルの父さんだ。
2人は土俵で睨み合う。
「はっけよい、のこった!」
デル父を号令に2人は土俵の中央で体をぶつけ合う。おっと、やっぱウエイトの差か、熊エルフに細エルフは押し負ける。それも束の間、細エルフの怒濤の張り手が、熊エルフに襲いかかる。確かパンチは反則との事だけど、一発一発に筋力と体重が乗った張り手は、もはやぶん殴ってるのと変わらない。だが、熊エルフは顔を腫らしながらも前に出て、細エルフのまわしを掴む。そして、土俵間際まで押して、そこで盛大な投げを放つ。けど、細エルフがなんとか土俵に足をついて堪える。と、思った時には、熊エルフが前にごろんと転がっていた。そして、土俵から落ちる。倒れた熊エルフに細エルフが手を差し出して起こす。おお、スポーツマンシップだな。
「なんと、大番狂わせ! 優勝はデフエリリです!」
会場に座布団が舞う。やっぱ熊エルフの方が優勝株だったんだな。細エルフは実況の女の子から拡声器を受け取る。
「ありがとうございます。皆様の応援のおかげ様で、晴れて優勝を飾る事ができました」
サラサラヘアーで、テンプレイケメンエルフなのに、ただまわしをしてるだけで、ショートコントっぽく見えるなー。
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