森人の国 2
「えっ、何言ってるのよザップ。なんで私がまわしでデルと相撲取らないといけないのよ。変態!」
プイッとマイが僕から目を逸らす。ヤバい飯から肉が消える!
「冗談だって。冗談で言ってみただけだよ」
「本当にー?」
「ああ」
「本当に、あたしがまわしつけるの見たくないの?」
何を言ってるんだ。マイは。なんか最近マイの絡みが少ししつこい。もっと構ってあげないとなのか?
「そ、そうだな。見たくないって言ったら、嘘になるが、なんていうか、マイには人前で恥ずかしい格好はして欲しくないな」
「じゃ、ザップの前だけでつけようか?」
マイが顔を赤くしてこっちを見ている。なんと、なんて答えたらいいんだ。確かにまわしだけのマイは見てみたい気がする。けど、困った。本心を言おう。
「マイ、俺はなんて答えたらいいんだ? 何て言ってもドツボな気がするが」
マイがフフッと笑う。
「冗談よ。ザップが変な事言うから」
「そうか、冗談だよな。冗談」
「ハハハハッ」
「ハハハハッ」
僕たちは乾いた笑いで見つめ合う。やべぇ、なんか気まずいわ。
「ご主人様、まわしが好きなんですね。私に任せてください。私でしたら、いつでもまわしいっちょで誰の挑戦でも受けますよ」
アンが立ち上がって胸を張る。その視線の先はデルだ。デルと相撲したいのか? ん、なんか今の胸の揺れ方は不自然だ。もしかして、コイツ、今日もワンピースの下に下着つけてないんじゃ? その前に、そのワンピースは、見えてるだけの存在しないやつ、要は全裸なんじゃないか?
「アンちゃん、止めときなさい。はしたない。やったらご飯抜きよ」
マイが冷たく言い放つ。さっきまわしつけようかとか言ってたのは誰だ。
「マイ姉様何言ってるんですか? 私も冗談ですよ冗談」
「そう、冗談なのね。じゃ、今の格好も冗談なのね」
「はふっ!」
マイがアンの脇をつつく。その指は服を貫通している。マジか、また全裸なのか……
「お肉食べたいなら、部屋に戻ってお洋服着てきなさい」
「はーい」
アンは素直に出て行った。
「あのー、なんていうか、夫婦で仲良くされてる中申し訳ございませんが」
デルが申し訳無さそうに口を開く。
「夫婦、そんなのじゃないわよ」
マイが顔を真っ赤にしている。
「そうだ。マイはパーティーメンバーだ」
「まあ、それでいいですけど、なんで私がまわしだけで相撲取る事になってるんですか? 皆さん大丈夫ですか? 欲求不満溜まってるんじゃないですか? 頭の中ピンク一色なんですか?」
デルが低い声で言う。珍しいデルがマイに辛辣な事言うなんて。
「けど、お前、まわしつけて相撲とってくれって」
「主語が無かったのは、悪かったですが、ザップさんに故郷の相撲大会で相撲とって欲しいんです!」
そうだよね。未婚の女の子が、僕に半裸で相撲とってくれって言う訳ないよね。
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