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1995/2115

 護衛の護衛 19


「おい、起きろ」


 一番鶏が鳴き、空の端が白む中、ゼイリスとバーナードを起こす。遠くでカラスの鳴き声がする。馬小屋では朝日が昇る前に起きるのがマナーだ。だいたい近くに鶏小屋があるから鶏が起こしてくれる。

 遠くに向かう旅人や商人は夜明けには出発する。今日は馬と相部屋じゃないが、馬と一緒に寝てる時は、その馬が早く出る可能性がある。そうなった時には藁に包まってたら、運が悪かったら出て行く馬に踏まれる事もある。馬小屋に泊まって大怪我、下手したら死んだりしたら洒落にならない。馬小屋では馬が主、僕らは居候に過ぎない。馬の邪魔をしちゃ駄目だ。


 バーナードは綺麗に寝ているが、ゼイリスは藁山に頭を突っ込んで足だけ出ている。2人とも死んだかのように動かない。


「おい、ゼイリス、バーナード起きろ」


 大声は厳禁。馬が驚く。寝てる奴は自分の名前を呼ばれたら、だいたい起きる。バーナードが身を起こす。まあ、ゼイリスは聞こえないだろな。頭隠れてるし。


「おはようございます」


 バーナードは昨日の事を学習したみたいだな。挨拶は大事だ。


「おはよう」


「ザザさん早くないか?」


「ああ」


 バーナードに馬小屋のルールを教えてやる。


「じゃ、ゼイリスも起こさないとな。おい、ゼイリス」


 バーナードはゼイリスの足を揺すぶる。普通の冒険者だっからこういう時は蹴りを入れる。育ちの良さが伺えるな。


「ぁん、だよー」


 滑舌悪く、ゼイリスが身を起こす。頭はボサボサで、口には藁を咥えている。バーナードが馬小屋の常識を説明して、僕らは藁を戻し馬房を整えて馬小屋を後にする。そして、隣接している銭湯に向かう。




「かーっ。サイコーだな」


 ゼイリスの顔は真っ赤だ。


「風呂ってこんな早くからやってるんだな」


 バーナードも真っ赤だ。


 僕らはでっかい浴槽に浸かっている。風呂はかなり広いんだが、爺さんが沢山いる。何故爺さんは朝風呂が好きなんだろう? なんか高齢者の朝風呂は危険って話を聞いた事がある。


「意外に朝風呂派の人も多いって事だな」


 バーナードが呟く。多分、早朝銭湯が少ないからここに爺さんが集まってるんじゃないだろうか?


 ゼイリスが「ほうっ」と息をついて話し始める。


「けど、なんだ。今日は馬小屋だからしょうがねーが、やっぱ風呂入ってから寝てーよな。朝から風呂入るって訳わかんねーぜ」


「おい、それは聞き捨てならないな」


 バーナードの声が鋭くなる。


「我が家はみんな朝風呂だ。汗をかいた時はそりゃ夜にも入るが、基本的には朝風呂だ。何か悪いか?」


 うーん、コイツらバカだろ。風呂なんか好きな時に入ればいいよ。そりゃ、朝か夜かなんて個人の自由だ。


「えっ、まじか、お前、朝風呂派なのか? きったねーな」


 ゼイリスはおバカだな。今、自分も朝風呂してるし、回りはみんな朝風呂中なのに。

 久しぶりに新作始めました。


「秘めたるスキルで異世界転生」です。訳も分からず異世界に飛んだ高校生が、自分のスキルを隠しながら、雑魚に見せかけて実は凄いムーブで最強を目指す話です。おバカ100%です。よろしくお願いします。下のリンクから飛べます。


https://ncode.syosetu.com/n4087jo/


 読んでいただきありがとうございます。こちらも良かったら、ブクマと評価お願いしますm(_ _)m

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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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