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1993/2116

 護衛の護衛 17


「オッサン、いやザザさん」


 メイが言い直す。彼女の中で、少し僕の位階が上がったようだな。


「なんだ?」


「さっきの話よ」


 あ、飯代の事か。


「少しは頭を使え。俺とお前たちの違いだよ」


「年齢?」


 即座にアイリスが答える。


「違うわ!」


 頭をはたいてやりたくなるのを我慢する。さすがに貴族の女子をどついちゃダメだよな。


「たしか、俺は」


 ゼイリスが頭をかく。さっきの事も覚えてないのか?


「『飯くれ』って言って、オッサンは、『こんばんは、飯くれ』って言ったよな。何か違うか?」


「んー、鈍いな。寝る時間が無いから答え合わせだ。それだよ。お前ら誰として挨拶しなかっただろ」


「えっ、それだけなのか?」


 バーナードが怪訝そうな顔をする。


「お前らがどう思ってるは知らんが挨拶は大事だ。お前らだって知らん奴にいきなり飯をくれって言われたら、『はあーっ?』てなるだろ」


「けど、あのオッサンは飯屋だろ」


 バーナードはまだ分かんないみたいだな。


「ここじゃ宿とった奴は飯が安くなる。まあ、宿泊して貰ったら宿は儲かるからな。だが、馬小屋は別だ儲からんからな。だから馬小屋に泊まってる奴の飯が安くなるかどうかは、あのマスター次第だ。挨拶も出来ないような奴の飯を安くする道理は無いだろ」


「ぐっ」


 バーナードは言葉に詰まる。


「別に俺達冒険者はどこそこ愛想振りまく必要は無いが、最低限のマナーが無いと損する事が多くなるって事だ。だから馬小屋なんだよ」


「どういう事だ?」


 ゼイリスが睨んでくる。


「お前らが頼み込んだら、依頼人が納屋かどっかにかは泊めてくれたはずだ。どこでも馬小屋よりマシだ。お前らが馬小屋に泊まるのは、お前らの価値が馬小屋程度しか無いって事だ」


「やんのか! オッサン!」


 ゼイリスが立ち上がる。


「よせよせ、別に責めてる訳じゃない。次に生かせ。次はもっと頭使えばいいだけだ」


「そうだな。よせ、ゼイリス。ザザさんありがとう。勉強になった」


「んだよ。俺はオッサンを認めないからな」


 ゼイリスは音を立てて立ち上がると食堂を後にした。若いなー。子供が八つ当たりしてるみたいだ。


「ねぇねぇ、なんか甘いものないのー?」


 アイリスが僕に絡んでくる。


「知るか。マスターに聞いてみろ」


「蜂蜜酒くれぇしかねーが、オメーらにはまだはえーよ」


 カウンターから胴間声が飛んでくる。マスターもなんだかんだで女の子には甘いな。カウンターにラフランスが二個置いてある。


「幾らだ?」


「おまけだ。旦那、次は馬小屋じゃなくて、部屋とってくれよ」


 んー、なんかマスターには僕の事バレてそうだな。

新作始めました。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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