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1988/2115

 護衛の護衛 12


「ちょっと待てーっ!」


 僕は町で一番デカいホテルに入ろうとするバーナードの手を引き止める。


「んだよ、オッサン」


「んだよ、じゃねーよ。お前、何してんだ?」


「ん、寝床の確保だよ」


「そこのホテルをか?」


「ああ、ここは綺麗だから気にいってるんだよ」


「そうか。で、一泊幾らなんだ?」


「んー、覚えてないが大金貨1枚くらいじゃねーか?」


 大金貨は金貨10枚。だいたい大金貨2枚くらいが新人公務員とかの月収だ。


「おいおい、仕事で報酬の十倍以上もするホテルに泊まってどうする。クソ赤字じゃねーか」


「だから、言ってるだろ。俺らは経験を手に入れてるって」


 チャラ男ゼイリスが噛み付いてくる。


「じゃ、まともな冒険者の生活を経験しろ。今回の稼ぎ額以内の金額しか使用禁止。高級ホテルなんかもっての他だ。お前ら、今は親の脛囓ってて贅沢出来るかもしれないが、何かあって普通の冒険者しないといけない時がくるかもしれないだろ。例えば、普通の冒険者のフリしないといけなくなったりとかな」


 僕はこの国の王様のポルトの話をしてやる。

 初めて会った時、ポルトは命を狙われてた訳だが、冒険者に化けててもその育ちの良さがにじみ出ていた。僕が暗殺者だったら、すぐに分かる。まず、ファーストコンタクトの時に斥候じゃなくて、護衛対象のポルト自身が交渉に出てきた。僕が暗殺者だったら、ここで死んでる。あり得ない。多分、あの時のポルトのパーティーは自称商人のガイルさんが斥候だったんじゃないかと思う。それにそもそも、あの時の僕の各国はボサボサ頭に髭面、装備は謎皮の腰巻きだけという、怪しさ天元突破状態だった。そんなのと話をする自体が無警戒すぎる。普通の冒険者ならあり得ない。

 まあ、貴族には貴族の常識、冒険者には冒険者の常識がある。その違いを知っとく事は大事だ。


 けど、軽率だったか? 貴族ならぼくとポルトの話を詳しく知ってるかもしれない。正体ばれるかも。


 話終わったとこで、バーナードが僕に肩組んでくる。


「へぇー、オッサン、王様と知り合いなんだー。だから態度デカいんだな。それって知ってるか? 虎の威を借る狐って言うんだぜ。だっせーな」


 良かった。気付かれてない。けど、なんかムカつくな。

 そんな僕らをメイが冷たい目で見ている。


「そうね、下賤な荷物持ちが言う事ももっともね。うちも言葉使いだけじゃなくて、ちゃんとした冒険者を学ばないとね」

 

 ブーブー言いながらも、奴らは木賃宿についてくる。さすがに女の子に馬小屋は厳しすぎるから、2人部屋を一つ取ってやった。


 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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