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1987/2115

 護衛の護衛 11


「あいつは、言った通り、旅の安全を祈るだけなんだよ」


「どういう事?」


 アイリスが首を捻っている。


「まだ分かんないのか? アイツがしてるのは合法的なタカリだよ。新人やよそ者や弱そうな奴に近づいて、金を貰ったら祈ってくれるんだよ。ぱっと見強そうに見えるだろ。けど、武器も鎧もメッキだ。それに、あのエルフの姉ちゃんは偽エルフだ。なんか騎士がエルフを連れてたら物語の主人公っぽくて強く見えるかららしいな」


 バーナードが僕の裾を掴んで揺さぶる。


「えっ、なんだそれ。じゃ、金を払わなくても何もしないのか? 逆に金払ったら力を貸してくれたりしないのか?」


「だから、そんな事するわけ無いだろ。そりゃ、野盗や魔物に襲われてたら、助けくらいは呼んでくれるらしいがな。アイツらは一日に沢山声かけて数で稼いでるらしいからな。王都の近くでは追い剥ぎみたいなのはすぐ捕まっちまうからな。悪質なタカリが多いんだよ」


「ええーっ! なにそれ」


 アイリスが地団駄踏む。そういう怒りの表し方久しぶりに見るな。


「じゃ、私、お金の払い損なの?」


「まあ、そう言うなよ。自由騎士様に祈って貰えただろ。普通の冒険者はそうそう奴らと遭遇出来ないんだよ。金持ってそうで弱そうじゃないとアイツらは素通りだ。ある意味ラッキーだったな。アイツらにたかられたら安全に冒険を終われるってジンクス有るらしいからな」


「クソっ。馬鹿にしやがって」


 ゼイリスがパシンと拳を掌に打ちつける。まあ、けど、綺麗な格好して、ダラダラ歩いてたら舐められるわな。


「そのジンクスって、ただ単にあのクソ共が安全なとこでしか仕事しないって事だろ」


 さすが、優等生。僕もそういう事だと思う。あの詐欺師たちの情報網は凄いらしいからな。


「なんか拍子抜けしたけど、疲れは取れたわね」


「そうだな」


 メイにバーナードが答える。エリクサーのおかげだと思うけど、もうゾンビじゃないな。

 準備してまた歩き始める。それからは何もなく、あまり連中はブーたれる事なく、目的地の隣町についた。そして、依頼人とは町の中央で別れ、明日の集合時間は朝の8時にここだ。今は夕方の5時、飯には早いので、まずは宿取りだ。本当は家に帰って寝たいとこだけど、飯も宿もコイツらの奢りだからついて行く事にする。その前に隠れてマイにスマホで連絡する。


「なぁ、アイツら、マイの事を家に飼ってるペットの猫だろとか言うんだよ。失礼だよな」


『なにそれ、信じられない。いますぐそこに行こっか?』


 マイは本気だ。1時間かけずにマイなら来るだろう。


「まてまて、今回の仕事は影から守るだから、お前が来たらまずいよ」


『えー、もしかして、またザップ、女の子拾ってこようってしてるの?』


「なわけねーだろ。相手は御貴族様だぞ」


『どうだか』


「と言う訳で来るなよ。じゃ、切るからな」


『はいはーい』


 再び四人に合流する。マイ、来ないよな?


 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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