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1986/2115

 護衛の護衛 10


「そんなに警戒する必要は無いよ。自由騎士を知らないのかな? 自由騎士が仕えるのは国じゃなくて正義だ」


 パンさんは馬から降り、ランスと盾を馬に引っ掛け丸腰で彼らの前に立つ。噂に聞く自由騎士。始めて見た。彼の情報網は凄いらしいからな。僕らの事は避けてるんだろう。


「で、その自由騎士が俺らに何の用だ」


 ゼイリスが武器に手をかけて口を開く。他の3人もすぐに武器を抜けるようにしてる。


「いや、君たちの旅の安全を祈ってあげようかなって思ってね。旅って物騒でしょ。魔物に遭遇する事もあれば野盗に襲われる事もある。そうだね。君たちの全財産の5%で、君らの安全を私が祈ってあげるよ。若い身空でこんなとこに屍をさらしたくは無いよねー」


 ゆっくりと優しく自由騎士は話す。


 バシッ!


 バーナードが手を打ち当てる。


「クソっ。金を払わないとここを通さねーって事か。通行税をよこせって事か?」


「そんな事は言ってないよ。お金を払ったら安全を祈ってあげるって言ってるんだよ。強制ではないよ。誠意の問題だ」


「クソっ。一緒だろが。みんなどうするよ」


 バーナードは言葉を吐き捨てる。平地での騎士は強い。ランスでのヒットアンドアウェイで無双を誇る。それに遠距離からエルフの弓での支援も入れば鬼に金棒だ。バーナード達は座学は優秀なはず。だから悩む。もし戦うなら丸腰の自由騎士に魔法を叩き込むがベストだけど、貴族の誇りがそれを許さないだろう。どういう答えを出すか見物だな。


「私は、脅しには屈しないわ!」


 メイが声を張りあげる。


「そうだな。お前の祈りなんかいらねーよ。やるならやってやる」


 ゼイリスは剣を抜く。


「しょうがねー。やるだけやってダメそうだったら、全財産くれてやるよ」


 バーナードも構える。


「私は嫌よ。祈りって、全財産じゃなくて、報酬の10%でいいかしら?」


 アイリスはそう言うと、ポケットから銀貨1枚を出す。それに無防備でツカツカ近づく自由騎士。


「はい、ありがとうございます」


 自由騎士パンはアイリスから銀貨を受け取ると、手を合わせる。


「あなたの旅路に幸運が訪れますように」


 パンは祈ると、警戒してる3人を尻目に馬に乗りエルフと一緒に王都の方に駆けて行った。3人は走り去るパンをずっと見ている。パンが踵を返して突撃してくるかもとでも思ってるのか? 

 パンの馬影は地平線に消える。


「助かったのか?」


 ゼイリスが口を開く。もう自由騎士は影も見えない。


「あいつ、何だったんだ?」


 バーナードは糸が切れたマリオットみたいに地面崩れ座る。


 そろそろ種明かししてやるか。


「良くやったぞ、お前たち。アイリス以外」


「えっ、どういう事?」


 アイリスが僕の裾を引っ張る。



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