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1984/2117

 護衛の護衛 8


「疲れたー。うち、お金払うから馬車乗りたいー」


 生意気っ子メイは僕の隣で両腕をだらしなく前に下げて歩いている。まるでゾンビだ。ちなみに、あと3体僕の前をゾンビが歩いている。馬車を囲んで。ゾンビパーティーだ。

 たった2時間で奴らはゾンビに成り下がった。スタミナなさ過ぎだろ。


「ザザさん、そろそろ休憩にしますか?」


 商人が馭者台から声をかけてくる。僕に聞くなよ、バレるだろ。ちなみに商人は僕の正体を知っている。


「ダメだ。もっと歩かないと」


「うち、お金払うから馬車に乗せてー」


 メイが虚ろな目で商人を見る。商人は僕の方を見る。見るなよ。僕は首を横に振る。


「だっ、ダメですよ。商品が沢山で乗せるとこが無いです」


「アンタの隣が開いてるでしょ」


「いや、貴族のお嬢様とそんな近くに座るなんて滅相も無い」


「うちは、冒険者よ。気にしないで」


「いや、無理ですよ」


 しつこいな、助けてやるか。


「そこまでにしとけ。何これくらい歩いただけでへばってるんだよ。お前、鍛えて無いのか?」


「荷物持ちの癖に、うちをお前呼ばわりしないで。鍛えてるに決まってるじゃないの。だけど、うちらは成績優秀だから、ランニングはしてないのよ」


 チャラ男ゾンビが歩調を下げて僕らのとこに来る。


「だから言っただろ。馬車が必要って。俺らは歩くの苦手なんだよ。まじでそろそろ休もうぜー」


「じゃ、得意になれ。冒険者やりたいならな」


 のっぽ、バーナードも下がってくる。


「おいおい、荷物持ち、なんでオメーはそんなに偉そうなんだ? 何様のつもりだ」


「別に偉そうにしてる訳じゃない。当然の事言ってるだけだ。休んでもいいが、このペースだと日が暮れるまでに目的地に着かないぞ」


 バーナードゾンビはしばらく口を閉じる。考えてるのだろう。コイツらスクールでは頭だけはいいみたいだからな。


「チッ。みんな頑張れ。頑張ったら飯が美味いぞ。あと、30分、30分歩いたら休憩しよう」


 ちょうど30分程歩いたとこで、街道の休憩所があったので、そこで休む事になった。休むと言うか、4人とも地面に転がっている。僕の荷物から水筒を出して、水を飲ませてやる事にする。僕は隠れて収納から出した冷水を飲んだが、コイツらには温いのだ。


「おら、飲め」


 水筒からコップについでまずはメイ。


「ありがとう、冷たいのは無いの?」


「文句を言うな。お前ら水持って来てないだろ」


「うっ、いただくわ」


 両手でコップを持ってガブガブ飲む。


「美味しいわー。温い水なのに。おかわり!」


「しょうがねーなー」


 二杯目を飲むメイを他の3人がガン見している。


「安心しろ。水は沢山ある。お前らの分もあるわ! メイ、次は黒髪に渡せ」


 黒髪はコップを受け取るなり、口を開く。


「あっ、今、メイって言ったー。やっぱオッサン、メイが好みなのね。水も先だったしー」


 んー、女子は面倒くさいなー。なんでも恋愛に変えようとしやがる。


「んな訳あるか、俺は彼女いるわ」


 マイは彼女と言っても問題ないはず。


 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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