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1982/2115

 護衛の護衛 6


「えっ、何やってんのよ。何出しゃばってるのよ、荷物持ち!」


 メイが自分の荷物に駆け寄る。男2人は僕を睨んでいる。


 しばらく僕らは睨み合う。


「俺らはまだ駆け出しだ」


 のっぽが腕を組んで話し始める。確かコイツの名前はバーナードだったな。


「まずは、仕事に慣れようと思って、この仕事を受けた。アイリスは金を貰わないとしないって言ったが、俺らは勉強のために引き受けた。金は貰えなくても、経験は手に入る。それで、何か問題があるのか?」


 まあ、そういう考えも間違ってはいないと思う。けど、それは普通の仕事についてだったら問題ない。冒険者は命がけの仕事だ。そこがまだ分かってない。決意が足りない。甘ちゃんだ。


「じゃ、お前に聞くが、仕事って何だ?」


「はん、食ったり生活するために金を稼ぐ事だろ」


 チャラ男が口を挟んでくる。僕をメッチャ睨んでいる。噛み付いてくるような勢いだ。


「じゃ、お前らが今からするのは何だ?」


「仕事だよ」


 チャラ男は相変わらず僕を睨んでくる。なんかばつが悪そうに顔が引き攣ってる。言ってる事が食い違ってるからな。


「金を貰わないのにか?」


「だから、バーナードが言っただろ。俺らは経験を貰うんだよ」


「じゃ、お前らはその『経験』ってやつのために命かけられるのか? 俺ら冒険者や荷物持ち、全ての働く者は、仕事に命かけてるようなものなんだよ。生きてくため、食ってくために与えられた仕事をやる。しくじったら次の仕事は来ないかもしれない。そしたら、食えなくなって他の仕事探すしかねーんだよ。お前ら、『経験』のために働くって言ってるが、その覚悟はあるのか?」


「「「…………」」」


 3人は口を開かない。お互いに目配せしてるが、答えが見つからないんだろう。


「言い方は良くないが、金は命だ。金で食いもんも買えるし、寝床も取れる。だから、生きてくため、命を繋ぐため、金を貰って仕事するんだよ。お前らはお金を貰わなくてもいいって思ってるかもしれないが、どうしても金を貰ってなかったら、仕事じゃなくて遊びになりがちなんだよ。命がけの局面になったら、仕事じゃなかったら、逃げる。間違いなく逃げる。だから、少しでもいいから金を貰っとけ。命をかけて命を稼ぐんだよ」


「オッサン、説教するの楽しい?」


 生意気ッ子のメイが拗ねてる。


「金が命、ばっかじゃねーのか?」


 チャラ男も拗ねてるな。


「荷物持ちの分際で、うっせーんだよ。お前は金もらって荷物でも運んでろよ」


 バーナードは超不機嫌だ。とか言いながらも、4人は話し合い、報酬を分割する事にしてた。


「オッサン、余計な事言わないでよ」


 アイリスが僕の横でボソリと呟く。あ、『お兄さん』から『オッサン』に格下げされた。


 


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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