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1981/2115

 護衛の護衛 5


 この新人4人はスクールでは剣術と魔術、共にトップクラスの成績で、自分たちの力を過信して冒険者活動を始めている。冒険者は荒くれ揃い。先輩冒険者からその洗礼を受けたのにも関わらず、逆に返り討ちにしたそうだ。もっともその実力は高価な装備と魔道具に負うものだったらしいが。

 それで、勘違いして護衛任務を受けたそうだ。それを知った親達が心配して今回の依頼を出したそうだが、その面倒くささに誰も引き受けてくれなかった。まあ、ギルドからの心証も良くなさそうだし当然だ。

 親御さんたちからすれば、危険な目には遭って欲しくは無いけど、経験は積ませたい。また、それである程度は天狗の鼻を折りたいけど、心は折りたくない。だから依頼内容は人知れず、彼らのプライドを傷つけないように、バレないように護衛してほしいという、なんかあっちの都合に合わせすぎた内容になっている。

 正直、全員にゲンコツでもくれてやって冒険者を諦めさせてやりたい所だ。けど、こいつらは将来この国の中枢に座する可能性が有るが故に大事にされている。知らんがなそんなのだ。


 まあ、正直やる気が低いけど、仕事は仕事、引き受けたからには出来る限りの事をするだけだ。


 4人はダラダラと今回の彼らの依頼人のとこに向かう。そこは王都の下町の最近活気が出て来たエリアだ。着いたのは真新しい商店で、依頼人は三十路前の商人。内容は隣町までの往復の護衛。報酬は金貨二枚だそうだ。つい、口を挟んでしまう。


「おい、お前たち、この仕事赤字なんじゃねーか?」


「はん? そうかもなー」


 チャラ男が答える。


「そうかもじゃねーだろ。この依頼、必要人数2人なんじゃねーか?」


「そうよ。それがどうしたの?」


 生意気少女メイもどこ吹く風だ。


「だから、言ったじゃないの。もっと割りがいいのにしようって」


 黒髪ロングが口を尖らせる。


「お前に金貨一枚、オッサンに金貨一枚、お前らは儲かってるから問題ねーだろ」


 のっぽが事も無げに言う。という事は、生意気とチャラ男とのっぽは報酬無しで働く気か? こりゃいかん。いくらボンボンだと言え、完全に間違ってやがる。金額の問題じゃない。お金を貰わない時点で仕事じゃない。コイツら、死ぬぞ。早々に。説教臭いオッサンと思われるのは癪だけど、分からせないとな。


「そうか、お前たちは、金を貰わねーのか。じゃ、仕事じゃねーな。お前らは今すぐとっとと帰れ。この仕事は、俺とこの黒髪の姉ちゃんだけで引き受ける」


 僕は背負子を降ろし、黒髪以外の荷物を放り捨てる。



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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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