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1975/2115

 道祖神 おわり


「もう、ここにいる必要ないから」


「ってか、お前、ヒラツメなのか?」


「他に誰がいるってゆーのよ」


「けど、お前、なんが育ってないか?」


「これが私の本来の姿よ。このままで石像になってたら、もって帰ろうとする不届き者とかいるわけよ。だから、石像になる時には子供の姿になるようにしてるのよ」


 そうなのか。けど、今のご時世、子供の像でももって帰ろうとする人だっているぞ。昔はみんな純朴だったんだな。


「じゃ、封印は解いたのか?」


「解いたわ。これで、誰でも出入り出来るわ」


「そっか、ありがとな」


「こちらこそありがとう。楽しかったわ」


 ヒラツメは僕に向かって微笑む。その姿の後の木々が透けて見える。透けて見えてるんじゃない。ヒラツメが透けていってるんだ。


「じゃあね」


 そう言い残し、ヒラツメは消え失せた。そういえば、妖精は魔力を使い果たしたら消えるって聞いた事がある。僕はヒラツメの像があったとこに軽く頭を下げ、踵を返し、村に報告に向かった。



「で、なんでお前がここに居るんだ?」


 村とギルドに報告して家に帰りリビングに行くと、マイとアンに挟まれて、さっき消えた少女がなんか食ってる。


「えっ、アンタ、私に美味いもの食わせてくれるって言ったじゃない。その時、美味いものでアンタが思い浮かべたものを食べてるのよ。あ、奥さん、めっちゃご飯美味しいです。こりゃ、あのお兄さんも惚れる訳ですねー」


 まじか消滅したんじゃないのか。て言うかこっぱずかしい事言いまくりやがって。


「奥さん、惚れる……」


 ゲッ、マイがバグってる。


「ご主人様、また妖精拾って来たんですかー? もう飼う場所無いですよー」


「失礼なドラゴンね。私は妖精とかじゃなくてれっきとした神よ神。それに飼うなんて言葉無礼よ。犬猫じゃ有るまいし、それに、私はアンタのご主人様と深ーく深く繋がった仲なのよ」


「おいおい、変な言い方するなよ」


「アンタのご主人様、それは凄かったんだから『なら出してやる! 外に出してやる!』 って叫んで出してくれたのよ」


「ナニソレ」


 うげっ、久しぶりにマイから冷気がっ! ヤバい早くなんとかしないと。


「おいっ、バカッ、勘違いされるじゃねーか」


「勘違い? 外に出してくれたじゃないの?」


 ヒラツメが小首を傾げる。無自覚かっ?


「ザップ、覚悟っ。女の敵!」


 マイが問答無用で手刀を放ってくる。それをヒラリとかわす。今、本気だったぞ。


「違う、違うって、主語をつけろ主語を」


 何とかマイの猛攻を凌ぎながら、ヒラツメに説明させて誤解を解く事が出来た。

 ヒラツメは、最初、道祖神って呼ばれてたけど、騒動神の間違いじゃねーのか?



    道祖神 END


 読んでいただきありがとうございます。


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