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1969/2115

 道祖神 5


「ふうん。デカくてヤバい奴なのか。じゃ、倒してくるから、この結界っぽいもの解いてくれよ」


『ちょっとー、あんた軽く言ってるけど、あんたなんか、けちょんけちょんの返り討ちに合うわよ』 


「おいおい、お前そいつを封じ込めてるんだろ。倒して欲しくはないのか?」


 ひらつめのみこと。面倒くさいからヒラツメと呼ぼう。コイツが言うヤバいデカい化け物は何なのか考える。オーガ? んー、その程度だと封印しないしな。トロール? そこそこ居るからな。ジャイアント? 多分普通の生き物じゃない。長い間封印されてたと言われてるのにまだ生きてるって事は、食事しなくていい生き物なんじゃないだろうか? それなら話が変わってくる。食事が不要な生き物はそれ以外のものでエネルギーを得ているもの。悪意を糧にしてる悪魔や、信仰や畏怖を集めて存在を保っている、神や邪神に属するもの。


「で、そのヤバい奴ってなんなのか?」


 場合に寄っては、仲間を呼んだ方がいいかもしれない。物理に強いものや効かないもの、悪霊とかのような肉体を持たないものだと、僕だと分が悪い。


『スライムよ』


「スライム? スライムって、あの水羊羹みたいなスライムか?」


『そう、でっかい水羊羹みたいなスライムよ。それはそれはでっかいスライムよ』


 そうか、スライムなのか。けど、確かにでっかいスライムは厄介だ。けど、所詮スライム。物理攻撃は効きにくいけど、叩いたり切ったりでもぶっ殺せる。僕の絶剣山殺しの錆にしてくれる。

 けど、僕の強さを少しは実感しないと封印を解いてはくれないだろう。

 僕は数歩下がって絶剣山殺しを出して正眼に構える。


『はぁー? あんたばかなの。そんなの使える訳ないじゃないの』


 コイツは多分植物の妖精だ。さすがに森林破壊は嫌がるだろう。僕は道の上で木に気をつけて山殺しをブンブン振るう。


『アンタならもしかしたら、倒せるかもね』


「ああ、任せろ」


『しばらく封印を解くから、その内に中に入って。それで、もしアンタが破壊神を倒せたら封印を解くから。あ、その前に私の額にアンタの額を当てて』


「いやだよ。変態みたいじゃん」


『四の五の言わないの。アンタは変態みたいじゃなくて、変態よ。あんなものブンブン振り回すなんて』


 ガチ変態みたいな言い方止めてほしい。ちゃんと剣を振り回したって言ってほしい。


『それに大丈夫。誰も見てないから、とっととオデコにごっちーんとやっちゃいなさい。男なら細かい事気にしないの』


「はいはい」


 何の意図があるのか分かんないけど、しょうが無いから、オデコを当ててやる。なんか生暖かい。それに、石像がさらに細工が精巧になっている。

 

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