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1967/2115

 道祖神 3


 軽く道を走る。それでも僕の身体能力では馬よりも速い。道には木の枝がせり出していて薄暗いが、道自体には草も生えてなく、木の根がせり出してもなく、とても走りやすい。

 そして、しばらく走ると、また道端に道祖神の像が。

 ほぼ確信する。同じとこを走り続けている。止まって像を見る。やはり先ほどのと一緒だ。けど、より表現が精緻になっている。

 もかしたら、同じような像が並んでるだけかもしれないので、踵を返し元来た道を走る。しばらくすると、森は途切れ、さらに走ると村が遠くに見える。

 

 どうやら像のとこからしばらく進むと、像の前の道まで戻されてるみたいだ。

 なぜ直ぐに気付かなかったかは、進化する像のおかげだ。間違いなくあの像は只の石像では無い。魔道具、もしくは魔法生物だろう。あれが、山に入れない結界とかを張ってるのかもしれない。あの像をぶっ壊したら山に入れるようになるのではないだろうか? でも、なぜ、急に山に入れなくなったのだろうか? 土砂崩れの後からって言ってたな。道祖神は神、神だから善とは限らないと思うが、何らかの意図があって山に入れなくなってるんじゃないだろうか? 歩きながら考える。なんか山に入れるようになりました、はい、終わり、ですまない気がする。


 入れなくなった理由を考える。


 まずは、入ってくる者から森の中の何かを守るため。


 それか、逆にこっちから入れないだけじゃなく、あっちからも出られ無い。廃エルフのノノのパターンだ。あいつは今は大人しくしてるけど、最悪な災厄以外の何物でも無かったらしいからな。

 何かがあっちから出て来られないようにしてる封印の可能性もある。それならば、通れるようになったら村が危ない。だから、入れるようになったら調査が必要だな。依頼には含まれてないけど、人として最後まで面倒見ないとな。


 道祖神の像の前につく。柔和な顔で笑っている。これも仕事、ぶっ壊すか。収納から愛用のハンマーを出す。これで叩けば木っ端微塵だろう。けど、僕は固まってしまう。

 なんか昔は宗教戦争とかで、自国の信じない神の像を破壊したり、顔を削ったりとかしてたらしいけど、それをやった人はどんな気分だったのだろうか? 僕にはこちらに向かって微笑みかけてきてるこの像をぶっ壊す事は出来ない。決してロリコンでは無いけど、あどけない表情で目を瞑っているこの像をぶっ壊すのは無理だ。


 えっ、像の目が開いた。こっ恐い。石像に人間の目、藍色の双眸が僕を見る。


『人の子よ。立ち去りなさい』


 トーンは高いけど、落ち着いた声がする。なんかそんな気がしてはいたけど、生きてるのか?


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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