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1965/2117

 道祖神 1


「ザップさん、お手空きでしたらこの依頼どうですか? 面白そうじゃないですか?」


 眼鏡のギルド職員が話しかけてくる。いつもはマイに泣きついて面倒くさい仕事を僕らに押し付ける奴だ。今日は僕は1人なので、ストレートな方法を取ってきたな。まあ、だけど、コイツが勧める依頼は報酬だけはいい。差し出された依頼書に目を通す。


『山に入れなくなって困ってます。どうにかしてください』


 見出しだけじゃ訳が分からない。詳細に目を通す。

 とある開拓者の村で、山の入り口で土砂崩れがあり、それ以降なぜか、山に入ってしばらく進むと山裾にもどって来るようになったそうだ。報酬は解決したら大金貨2枚。即決。数日で終わらせたら破格な報酬だ。

 けど、なんか聞いた事がある話だな。そう、迷いの森だ。ハイエルフのノノが住んでた迷いの森もそんな感じだった。進んでたら、いつの間にか元来たとこに戻ってるんだったな。んー、あの時はどうやって解決したんだったかなー?


「ありがとうございます」


 とりあえず依頼は受けて、ギルド職員に感謝される。

 マイとアンは今日は魔道都市に買い物に行ってて別行動。今回の報酬は僕の個人財産にしたいから、1人で解決しよう。だから、ハイエルフのノノに連絡するも無しだ。あいつは今は魔道都市にほとんどいる。連絡したら喜んで情報をくれるとは思うが、絶対に金銭を取られる。導師ジブルも一緒だ。


 王都を出て、その件の村につく。依頼人の年老いた村長さんが話をしてくれた。その山は小さな山だけど、今の時期は獣や木の実などの山の幸が多い。それによって生計を立ててる者が多いから、山に入れないと、このままでは生活出来ずに村を離れてしまう人が後を絶たなくなりそうだと言う事だ。村を捨てた者は仕事もあるわけではなく、運が良くて浮浪者、ほとんどの者は生きて行けないだろうと村長は言う。だから、現状をどうにかするために、村の全員でお金を集めて冒険者を雇ったそうだ。今回は成功報酬制で、半年以内に誰も解決出来なかったら村にお金は戻ってくるそうだ。村長に色々質問するが、依頼書の内容以上の収穫は無かった。一点を除いて。土砂崩れで山道が削られ、そこに石で出来た昔と思われる神仏の像が出て来たそうだ。ここらの土地では、昔から道脇に石彫りの神仏像を祭る風習があり、それは『道祖神』と呼ばれてる。旅人の安全とかを祈願して昔から手を合わせる者が絶えないと言う。まあ、今回の事に関係あるかどうかは分からないけど、なんかその話が気に掛かった。

 まずは、その山へと向かって状況確認する事に。

 

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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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