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1963/2115

 はんにゃのめん 中後後後


「フゥオオオオオオーーーーッ! 漲るッ! ブリリリリリリリィィィィィィィッ! 軟弱! 軟弱ゥッ!」


 なんかシャリーちゃんが奇声を上げながら、踊り始める。なんかどこかで聞いた事ある奇声だな。それに、微妙に品が無い。


「ねぇねぇ、ザップ、あれどうするの? 誰も解呪出来ないわよ」


 マイが言う通り。解呪出来る人がラリっちゃったらもう手に負えないな。


「いや、大丈夫だろう。あいつはアレでも元は聖教国の実力者だ。自分で帰って来れるだろう」


「そうね、なんかあの仮面、気に入ってたみたいだしね」


 多分シャリーちゃんは、自分も被りたかったんだと思う。そういう事にしとこう。


「そいやっさー!」


 また、シャリーちゃんが叫ぶ。やたら、高い声で、頭がキンキンする。


 バキッ!


 シャリーちゃんがテーブルを手刀で叩き割った。イラッとする。何人の家の家具ぶっ壊してんだよ。ガラス代とテーブル代を合わせたら、あの汚い仮面10枚は余裕で買える。焼却確定だな。


「おい、ザップ。何人に勝手に仮面つけちゃいやがってんだよ!」


 なんかろれつがおかしくシャリーちゃんが僕に人差し指を向ける。んー、女の子とバトルするのは本意ではないが、これはムカつくよな。


「見たか、私は固い。固くて固くて固い。カッチカチ」


 シャリーちゃんが力こぶを作るが、どうみてもカッチカチには見えない。プッルプルだ。


「とりあえずお前をぶん殴るるるるるるるるるるるるるーっ」


 しつこい巻き舌を放ちながら、シャリーちゃんが僕に向かって拳を突き出す。それをマイが手のひらで、軽く止める。


「シャリーちゃん、あたしに手をあげるってどういう事か分かってるの?」


 マイが笑顔で凄む。


「スミマセンでしたっ!」


 勢いよくシャリーちゃんは土下座する。なんと、呪いに打ち勝ったのか?


「おいっ。正気にもどったのか?」


「あん、ザップ。お前はぶっ飛ばす」


 土下座しながら凄んでいる。


「で、シャリーちゃん。大丈夫なの?」


「申し訳ございません。私の不徳の致すところですっ」


「おい、大丈夫か?」


「黙れヒモやろー!」


 言ってはいけない事を口にしたな。


「ヒモちゃうわ。この腐れ金神官が!」


「あーあ、嫌ですねー。言葉に品性を感じないですぅ。なんでも、バカとか腐れとかつけたらいいって思ってるでしょ。もっとおべんちゃらしましょうねー。猿頭さん」


 なんか、心を抉られる。これは不利だ。女性に対する罵倒語は禁止用語になりがちなのに、男に対してのは自由なのが多い。よくラブコメとかで、男の子が女の子にやり込められるけど、男には思っても口に出せない言葉が多いのだ。だから、舌戦で負けてる男の子の頭の中には口に出せない汚い事この上ない言葉が渦巻いてるはずだ。

 僕の頭の中にも、女の子に言うだけで泣かせるような言葉が次々と思い浮かぶ。けど、言えない。マイに絶交されちまう。

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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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