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 はんにゃのめん 中中


「うまー、担々麺、うまー」


 うまうま言いながら、アンは担々麺を啜る。仮面の角度からして、多分アンは丼が見えてない。けど、そんなの関係無くアンは握り箸で麺をかっ込む。今まで数万回と繰り返してきたアクション。アンは目を瞑ってでも担々麺を食えるのだろう。


「ずずーっ、ずず、ずずーっ」


 アンは汁を飲む。汚い事にお面のしゃくれた顎のとこが真っ赤なスープに浸っている。面は綺麗にしたんだけど、なんか汚っぽい。呪いの出汁とか出てんじゃないのか?


「ごちそうさまでした」


 アンは手を合わせると、箸を丼に置く。


 おかしい。


 間違い無く、アンは呪いに犯されている。何故なら、アンがたった一杯の担々麺で満足している。いつも異次元に流し込んでるんじゃないかと思える程に奴はなんでもしこたま食う。まあ、けど、いいか。それより、仮面の恩恵、防御力のアップはいか程のものか調べてみたい。


「おい、アン、軽く手合わせするぞ」


「すぴー」


 アンの首が後ろにゆっくりと倒れたと思うと、寝息っぽいものが聞こえてくる。


「おい、寝るな!」


 アンの肩を揺すって起こそうとする。


「くー」


 可愛い寝息で答えてくれる。相変わらず自由な奴だ。


「ザップー。もっと激しく起こしてみて」


 マイに言われて、激しく揺さぶる。


「くかー」


 全く効かねーや。僕は女の子に乱暴を働くのは好きじゃないが、コイツはドラゴン。


「ていっ!」


 アンの角と角の間にそこそこの手刀を放つ。固い。というか、何かに阻まれたかのようにアンの頭ギリギリで手が止まる。


「何やってんのよ」


 ジブルがアンの頭に蹴りを入れる。容赦ないな。けど、びくともしない。


「まだるっこしいわねー」


 シャリーちゃんはどっからかでっかい斧を出して、躊躇いなくアンの頭に振り下ろす。


 ゴン!


 鈍い音がするが、ノーダメだ。アンは微塵も起きる気配が無い。


「うわ、すごいわねー」


 マイがハンマーを出してアンをどつく。けど、鈍い音がして、アンが椅子から落ちただけだ。アンは相変わらず寝ている。それから、女の子たちがアンをどつきまくったけど、全くアンは起きなかった。


「すげぇなー。はんにゃのめん」


「けど、これじゃ、呪いがどんなものなのかわかんないわ」


 マイはそう言ってるけど、箸も使えなくなるような呪いって大概なものだと思う。少なくとも、僕は絶対にこの面は装備したくない。


「なんか、あんまり面白く無いわねー」


 シャリーちゃんは床に転がってるアンの顔に手をのばす。


「はい、中和」


 いとも簡単に仮面をアンから外す。


「次は、誰いってみるの?」


 シャリーちゃんはお面をフリフリする。面の顎のとこは担々麺のスープを吸っていて、赤くなっている。汚いなー。


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