表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1957/2116

 ワープポータル (終わり)


「3・2・1。ファイヤー」


 何がファイヤーなのかは分からんが、気分の問題だ。やはり出て来ないか。僕はハンマーと服を収納にしまうと裸で部屋を走り回る。目を閉じ気配を察知しながら、再び必殺魔法を使う。


原始の世界プリミティブ・ワールド


 今日は3回目。さすがにきつい。さすが僕、天才。走り回りながら魔法を使ったら、部屋全部を解呪できる。壁に手をつきながら瞬間で部屋を1週し、足の感触で描く円を小っさくしていく。魔法の効果時間は短い。気合いで時間を伸ばす。


「キャッ!」


「ぐえっ!」


 なんか柔らかいものを踏んで蹴った。アマンダとチェルシーだな。これで殺したら洒落にならないので、目分でポータルを出してエリクサーをかけながら軽く蹴り飛ばす。

 

 あっ、居た。コイツだな。


「死にさらせー! そこだーっ」


 無性に腹が立つから、何か居ると感じた所に問答無用のドロップキックを放つ。


 ドゴン!


 よし! 命中。目を開いて着地する。なんか物体が壁にめり込んで、クレーターを作っている。やり過ぎたか? 何が居たのか分かんない。まあ、敵な事は確かだから、ま、いっか。壁際に女の子が二人いてこっちを見ている。穴が空いたローブを着てる女の子と、ボロボロな鎧を着けてる女の子。チェルシーとアマンダだ。良かった。目頭が熱くなるけど、堪える。男は涙を見せぬものだ。


「お前ら、大丈夫か?」


 僕は出来る限りのイケボと勝負顔を放つ。死地から救い出してくれた僕。今の二人には僕が輝いて見えてるはず。


「お腹減ったー。担々麺はよー」


 グゥーキュルルル。


 チェルシーからどこから出してるのか疑問に思う程でかい腹の虫の鳴き声が。


「格好つける前にパンツ穿きなよ。もうそれ見飽きたわ」


 アマンダの視線は僕の下半身。うげっ、裸になり過ぎて忘れてた。急いで後ろを向き服を着る。なんか締まらんなー……



「で、どういう事だったの?」


 チェルシーが口を開く。僕らは食事を終えて、椅子にぐてーっと座っている。コイツは今度は五杯も食べやがった。


「まじで、骨になった時は焦ったわー。もう私たち死んでるのかと思った」


 アマンダは四杯食べやがった。どうでもいいけど、二回目からお金を払って貰えなくなった。ま、いいけどさ。


「んー、お前らが骨になったのは、さっき壁のシミになってた奴がやった事だろう」


 目の毒なので、収納に入れてある。獣の毛のようなのもあったから、魔物には間違いない。その隣に今度は扉があるからいつでもここからでられそうだ。それにしても疲れた。精も根も尽き果てたってヤツだ。しばらくここで休まないと能力がかなり落ちている。


「幻覚を解除した瞬間にまた幻覚をかけられたんだろう。だから、それを解除した。まあ、あまり格好いい方法じゃ無かったけどな」


「さすがにドン引きよねー」


 チェルシーが僕を見る。暖かいジト目なんか初めて見た。


「裸で走り回ってるし、私たちを踏んだり蹴ったりするし、まさにケダモノだったわねー」


 アマンダも暖かいジト目だ。流行ってるのか?


 バタン!


 扉が空く。ゲッ! マイとアン。勢い良く飛び込んでくる。


「ザップー! 今日は何したの! 裸で走り回る? 女の子を蹴る?」


 マイは顔がまっ赤だ。なんでいつも変なタイミングで来るんだ?


「ご主人様。鬼畜、鬼畜なのですね」


 アンは楽しそうだ。


「「えっ! ザップ!」」


 チェルシーとアマンダが驚いている。この顔が見れたから、後はもういっか。とりあえず。


「じゃ、後は任せた。あーばよーっ!」


 マッハで、マイの横をすり抜ける。

  

 面倒くさい事は、逃げるに限る。あいつらと話したらマイの誤解も解けるだろう。



 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ