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 ワープポータル (13)


「世界よ変われ! 『原始の世界プリミティブ・ワールド』」



 昔、昔、神話の時代より更に昔。いわゆる原始の時代。人々は何ももってはいなかった。己の体以外。草や皮を服として身に纏い、木や石や骨などを削り道具を作り、炎を手にし人は力を手に入れた。人類の歴史は道具の歴史とも言える。その叡智を全て消し去る荒れ狂う嵐のような魔法。物質分解の魔法が凝縮し昇華してこの世の(ことわり)を変質させる。



原始の世界プリミティブ・ワールド



 この世を変革する、『世界』の名前を冠する魔法……


 決して変態のための魔法ではない……けど、必要に迫られて使ってるけど、女性に驚かれるのは、なんか嫌な感じはしなくなってる。それは良くないと思う。そっちの世界には行っちゃ駄目だ。犯罪者まっしぐらだ。


 

 僕の体から放出されたマナが白く光り辺りを包み込む。良い感じだ。いつもより力が強い。魔法は心の力とイメージだ。強い心は強い力を生む。どうにかして今の状態から脱出してやる。その強い心の現れだ。決して、僕にしがみついてる女の子二人の裸を見たいと強く願ってる訳じゃない。


 ガクンと体が沈み込む。足元の岩が塩に変わったからだ。足場が悪いからしっかり足を踏みしめる。


「これが、『世界魔法』! 凄い力!」


 アマンダがしがみつく力が強くなる。ヤバい、素肌と素肌が。塩が邪魔だ。


「なんだ、目が全く見えない!」


 チェルシーもしがみついてくる。なんか少しゴツゴツしてる。もっと飯を食え。ん、ゴツゴツ?


 なんか、急に僕にしがみついてた女の子たちの触り心地が変わる。と思ったら離れていく。なんか嫌な予感がする。


 光りが収まる。僕の隣には女の子たちが居ない。彼女たちが居た所に白い丸いものが。その下には白い棒みたいなものや、牙みたいなものが落ちている。


「クッ」


 叫びそうになるのを堪える。骨だ。しゃがんで丸いものに手を伸ばす。しゃれこうべ。真っ黒な眼窩。僕の右に居たのはアマンダ。左の骨と比べると全体的に細い。なんなんだこれは。考えたく無い。優しくしゃれこうべを床に置く。見渡すとさっきまでの部屋。骨たちの近くに居るのが嫌で、距離を取って服を着て座る。


 良く考えろ。何が起こっている。まずは、ワープポータルでこの部屋に飛んで来た。その瞬間から幻覚を見せられている。そして、幻覚を消したら、二人が消えた。二人は幻だったのか? 


『チャンプ・ザ・ホルモンマン』


 アマンダが出した名前、それは僕が知らない名前。夢や幻では、自分が知ってるものしか出て来ないって聞いた事がある。それにアマンダもチェルシーも初めて見た顔。僕の想像の産物だとは思えない。


「チェルシー、アマンダ」


 骨に問いかける。答えは無い。ならそういう事だな。


「見てるんだろ。姿を現せ。三つ数える。それまでに姿を現さないならぶっ殺す!」


 僕はハンマーを手にして声を張る。

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