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 ワープポータル(11)


「ちょっと後ろ向いとけ」


 僕は後ろを向いて服を出して着る。マイとかは、その場で服を器用に交換出来るが、僕は集中してないと上手く出来ない。なんか背中に視線を感じながら服を着る。


「どういうことだ?」


「そんな事より、お腹が減って死にそう。あれ、持ってるんでしょ。出して」


 チェルシーに言われるがままに担々麺を出す。コイツらは僕の収納の事を知ってるから、テーブルと椅子も出して、テーブルの上に出している。ん、おかしい。担々麺の残数が百だった。減って無い。  


「訳分かんないけど、いただきます」


 アマンダも腹が減ってるみたいだ。二人はテーブルにつき、鬼のように食いまくる。僕もなんか腹が減ってきたので、一緒に食べる。チェルシーは四杯、アマンダは三杯、確かさっきもそれくらい食べたよな。



「多分、俺が宝箱を開けて罠でワープしてきたところに戻ったんじゃないか?」


 二人が落ち着いたとこで切り出す。


「んー、そうとしか思えないわね。またあんなに食べたし」


 チェルシーは満腹で動けないのか、机に突っ伏している。 


「けど、そんな話、聞いた事無いわ。物語の中でしか」


 アマンダが言う通り。時が戻るなんて話はフィクションの中だけだ。僕は口を開く。


「もしかしたらそういう事が出来る存在は居るのかもしれないが、それは神とかそれに準ずるような存在だけだろう」


 古竜とかにそういう権能を持ってるものが居るかもしれないが、奴らが居るのは深層。こんな浅いとこでチェルシーたちのような普通の冒険者にそんな事をするとは思えない。それに、ここは普通のダンジョン。こんなとこで奇跡のような事が起こり得るはずが無い。


「幻術の類いだろう」


 僕は告げる。なんか嫌な予感がする。飯を食べた幻を見て、脱出した幻を見た。その方が時間が遡ったと思うより現実味がある。けど、今僕らが見てるのが幻だとしたら、僕たちの今の本当の状態はどうなってるのだろうか? これが僕が見てる幻だとしたら、チェルシーとアマンダは本当に存在してるのだろうか?


「えっ、じゃ、私たちって仲良く幻を見てるって訳?」


 チェルシーがアマンダの方に手を伸ばし、その頬をつねる。


「痛い、痛いわよ。何すんのよ」


 アマンダが大袈裟に痛がる。チェルシーがつねった所は赤くなってる。


「ねぇ、もう一回ここから出られないかしてみない?」


 アマンダ発案で、また、天井を叩いて穴を開けて、二人を持って穴に飛び込む。また頭がチカッとする。


「ザザさん。また、裸!」


 チェルシーが叫ぶ。


「もう、何か見慣れたわ」


 そう言いながらも、アマンダは僕の下半身をガン見している。見るなや。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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