表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1945/2116

 ワープポータル (2)


「急に動くな。ゆっくりだ。ゆっくり服を着ろ」


 多分戦士が僕に注文を付けてくる。どうでもいいが、こんな経験始めてだ。裸で女の子に指示されながら服を着るというのは。ふと、思うが、なんで僕は言いなりになってるんだろう? 見たこと無い冒険者だから、多分新人か他国から流れて来た者だと思うが、立ち居振る舞い雰囲気からして駆け出しから中堅と言ったところか? 要は、僕が本気を出したら秒殺出来るだろう。しないけど。

 僕は収納から地面に出した服を着る。まずはパンツ。全体的に相手を警戒させないために無難なものをチョイスしている。またどうでもいいが、女の子に背を向けてパンツを穿くなんて生まれて始めての経験だ。あいつらは座って麺を啜っている。どうしてもパンツを穿くのには屈んでお尻を突き出す形になる。さすがになんとなく恥ずかしい。あいつらから僕はどう見えているのだろうか? 奴ら座ってるから視線は低いはずだし。なんか背筋がゾクゾクする。いかん、変なものに目覚めそうだ。


「うえっ、ご飯が不味くなる」


 多分魔法使い。なら見るなや。ガン見してやがるな。ムッツリめ。もっと見せ開かしてやろか!


「それにしても趣味が悪い柄だな。何を思ってそんな赤の水玉なんかチョイスしたんだ? 趣味わるー。私の彼氏がそんなの穿いてたらドン引きだわ」


 戦士が何か言ってる。これでも僕のパンツの中じゃ地味な方だ。ほっとけや。それより、そこまでマジマジ見るお前らに僕はドン引きだわ! けど、今の言葉は許せんな。このパンツはマイが買ってくれたものだ。赤の水玉にだって意味がある。このパンツは魔道具だ。良くパンツを燃やす僕のために耐炎の魔法が込められている。魔法を定着させやすいようにするためのこの柄だと、魔道都市の導師であるジブルが言っていた。


「ズルッ。何言ってるのよチェルシー、ゴクゴク。あんた今まで彼氏いた事無いでしょ。何見栄張ってるのよ。プハー」


 魔法使いの女の子がモゴモゴしながら話してる。食うか喋るかどっちかにせろや。


「じゃ、あんたはどうなのよ。彼氏が赤の水玉パンツ穿いてて許せるの?」


「んー、そうね。顔、顔次第よ。イケメンだったら、ブーメランだろうが、ブリーフだって許せるわ」


「ええーっ。あんたブリーフありなの? やっぱり魔道士ねー」


「ちょっとあんた、世界の魔道士全員的に敵に回したわよ。確かに下着にまで気をつけない人は多いわ。けど、私は違う。いつでも可愛いの付けてるんだから」


 なんで、僕は女の子達のパンツ談義を聞きながら服を着ないといけないのだろうか? けど、話が盛り上がってるおかげで、もうツッコまれる事無く、服を身につける事が出来た。やっと人間に戻れた気分だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ