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 ゲリラ豪雨


「なんか急に曇ってきたな」


 僕はハンマーを振って血糊を払う。今日は王都の北にゴブリンの集団が出たという事で、討伐した所だ。森の中の開けた所。奴らは移動中みたく、サクサク討伐した。メンバーは、僕とマイとアンだ。


「なんか、雨の匂いがするわねー。蒸し蒸しするし」


 マイが言うとおり、なんか泥臭い匂いがする。それに水が腐ったような感じの匂いがする。


「来ますね。来るんですね」


 アンはなんかはしゃいでいる。コイツ、雨、好きだもんな。雨が好きって人間はあんまり居ない。こういう時にコイツはドラゴンなんだなー、って実感する。


「んー、どうするか」


 多分めっさ雨が降る。帰るのには間に合わない。


「風があるから、傘は役に経たなさそうね」


 確かに風が強くなってきた。森に入ってもあんまり効果成さそうだ。とりあえずゴブリンの死骸を収納に入れて、頭の上に出せる限りの収納のポータルを出して隙間なく敷き詰める。これで、上から落ちてくるものは全て収納に入るので濡れる事はない。


 分かるくらいに辺りが暗くなる。ん、なんか急に涼しくなった。こりゃ来るな。


「マイ、アン、ポータルの下に来い」


「はーい」


「私は大丈夫ですよ」


「アンちゃん、髪の毛濡れたら風当たりひくからダメよ来なさい」


「はいはーい」


 マイとアンが隣にくる。


 バチッ。バチバチッ。


 気の葉に大粒の雨が叩き付けられる。


 ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザーーーーッ。


 音が途切れないような激しい雨。辺りが霞んで見えない程だ。よかった。こりゃ、傘や合羽をつかってもパンツまですぐにびちょぬれだ。別に濡れるのはそこまで難儀じゃないけど、あの濡れた服が体に張り付く感じは不快だもんな。しかも、なんか匂いがある雨って、泥っぽいものが混じってる事が多いしな。


「ゲリラ豪雨ね」


 なんかそのゲリラ豪雨ってよく聞くな。しこたま雨が降る事だと思うが、そもそも雨とゲリラって何の関係があるんだ?


「なんでゲリラ豪雨って言うんだろう?」


 僕の前にアンがドヤ顔で立つ。


「それはですね、ご主人様。あの雨が激しくてビチャビチャ落ちてくる様が、まるでお腹を壊した」


 ガシッ。


 マイがアンの頭を掴む。


「アンちゃん、そこまでにしよーか」


 笑顔のマイの顔は笑ってない。さすがアン。誰でも一度は考えたけど口にしないしょうも無い事を。


「そもそも、ゲリラって言うのは軍隊内とかで、小部隊による奇襲とかで敵を混乱させる戦法の事や、その部隊や戦闘員の事を言うそうよ。それで、こういう風にびっくりするような雨が、奇襲うけたみたいだから、ゲリラ豪雨って言うようになったそうよ」


 ん、マイの手にはタブレットが。


「ああ、これね。タブレットで検索すると、中に入ってるジブルの本から言葉の異名とかを探してくれるようになってるのよ」


 んー、タブレットは僕の収納スキルの延長なのに僕以外の方が使いこなしてるな。


「奇襲なら、アンブッシュって言うよな。アンブッシュ豪雨の方が分かり易いんじゃないか?」


「いいにくいわ」


「いみふです」


 んー、いいと思ったんだがな。語調的に。そして、しばらくするとアンブッシュ豪雨は止んだ。やっぱいいにくいわ。


 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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