表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1930/2115

 夏休みの終わり


「綺麗ねー」


 月明かりに照らされてマイが口を開く。今日は満月、海でゆらゆら映った月が揺れている。心地よい波の音が響く。僕とマイは砂浜に直に座って海など眺めている。


 夏も終わりが近づき、僕らは明日王都に帰る。アンジュたち少女冒険者四人、デュパンのパーティー『地獄の愚者』、ラパン率いるメイド軍団、そして、魔王リナの魔王軍団たちは一足先に帰ってしまった。ここに居るのはうちのメンバーだけだ。一緒に座ってるマイ、アンと導師ジブルとぽっちゃりエルフのノノ、黒竜王の化身オブは夜の海で泳いでいる。あいつらメンタル鋼だな。まじ、夜の海で泳ぐのは怖えよ。海の中は真っ暗だし、なんか引きずり込まれちまいそうだ。


 本当に月が綺麗だ。隣のマイを見る。月明かりに照らされてマイも白い。素直に綺麗だ。僕のような冴えない男とマイは間違いなく不釣り合いだ。夢みたいだな。本当にこれが現実なのか? 実は僕は今寝てて、夢見てて、起きたらただの荷物持ちなんじゃないかって思ってしまう。今、ジャリ共は海、なんだかんだでマイと2人っきりになるのは海に来て初めてな気がする。


 マイの事は好きだ。


 けど、それを口にすると遠くに行ってしまうようで、ずっと口に出せない。マイが居て仲間が居て、この心地よい関係を崩したくなくて、ついつい何も言えない。けど、このままでいい訳が無い。いつかは言わないと、それは今なんじゃないか? マイは海を見ている。マイは何を考えてるのだろうか?


「餅や団子みたいですねー」


 隣でアンがほざく。いつの間に横に来たんだ? いかんいかん、マイを見てて隙だらけだったな。そう言えば、今日は月がまん丸だもんな。


「まあ、丸くて白いから似てないって事は無いけど」


 マイ、うちあうんじゃないよ。スルーだスルー。


「まあ、あたし的には団子って言うか、キラキラしてるから、綺麗にした銀貨みたいね」


 なんかマイが早口だ。どうしたんだ?


「私、ずっと2人を見てたんですよ。マイ姉様はソワソワしながら月を見てて、ご主人様はまたソワソワしながらマイ姉様を見てました。せっかくみんなで打ち合わせして2人っきりの時間を作ってあげたのに、なんにも進展は無かったみたいですね。普通、こういう時はブチューって行くものでしょ。ブチューって」


「なっ、何言ってるのよ、アンちゃん。余計な気を使わないで。あっ、あたしも泳いでくるわ」


 マイがタタタッと駆けていく。


「ご主人様、マイ姉様は待ってたんですよ。ご主人様が口を開くの」


「んな訳ないだろ。気のせいだ。気のせい。おら、俺たちも楽しむぞ、今年最後の海を」


 そして、僕は波打ち際でバチャバチャ海を楽しんだ。2週間、しっかり海を堪能した。けど、今年も泳げるようにならなかったな。明日からしっかり働こう。


 

 


 夏編終了です。少しでも夏気分を楽しんで貰えたなら幸いです。


 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ