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 久しぶりの格闘技講座インザビーチ(前)


「久しぶりに、デル先生の格闘技講座始めます」


 黒いヒラヒラのビキニでデルは拱手する。自分で自分の事をデル先生と言っている。拱手とは目の前少し下で握った右の拳を開いた左手で覆う武人の礼だ。ここでの礼はこれに統一されている。

 頭を下げるという行為は、相手に急所である頭頂部を晒す自殺行為とデル先生が言っていた。彼女の故郷の挨拶も全てこれだそうだ。彼女の実家はどういう戦闘集団なのか興味が沸く。


 ビキニに拱手、砂浜と海を背に、サラサラな金髪を潮風に靡かせて佇む麗人。まるで1幅の絵画みたいだ。つい見とれてそまう。けど、デル先生は化け物だ。ステゴロだと僕らの中では最強だ。


 僕らもデル先生に拱手で答える。メンバーはいつもの、マイとアン、マッスル黒エルフのレリーフ、子供族のパムだ。みんな水着だ。決して格闘技の練習をする格好じゃないけど、まあ、今さらだもんな。


「デル先生、波打ち際に移動しませんか? オイラ足元が熱すぎて火傷しそうだよ」


 パムはその場で足踏みしている。うん、熱い。玉子割って落としたら目玉焼き出来るんじゃないか? 基本的に僕らの修行は裸足だ。激ニブのアンやレリーフは置いとくとして、マイやデルは熱くないのだろうか?


「まだまだですね。パム。気合いを入れたらなんとかなるわ」


 涼しい顔でデルが言う。軍隊かよ。デルの白い足を下に辿る。ん、なんか微妙に足の裏辺りから湯気が出てるような? 


「あー、デル先生、インチキだー」


 パムが叫ぶ。


「おしっこ漏らして、足元湿らせて、温度下げてるんでしょ」


「漏らしてないわ! 収納からチビチビ水を出してるだけよ。使えるものは何でも使う。それが戦いってものよ」


 んー、やっぱインチキか。そだな、僕も真似しよう。


「では、まずは準備体操と、基礎訓練からだ」


 そして、僕らは準備運動からの、突き蹴り受け身の練習をして、一端休憩で海で汗を流して冷たい飲み物で喉を湿らせる。そして、波打ち際で、組み手をする事になった。


「砂浜は足を取られやすいので、常にその事に留意して動くように。では、誰から来ますか?」


 デル先生はそう言うと、スタンス広め重心低めで構える。いつもは僕が先頭切るんだけど、なんか海に投げ込まれるのは嫌だな。泳ぐの苦手だし。


「今日はオイラから行くぞ。海と言えばオイラだからな。暑い夏を更に熱くしてやるぜっ!」


 パムと海。少年と海。天使のような男の子に見えるパムと海は確かにマッチしている。けど、なんか下心が透けて見えるんだよな。オッサン臭え。実はコイツは僕より年上なんじゃないかと最近訝しんでる。


「ちょいあっさー!」


 奇声を上げてパムが駆け出す。デルよりも更に低く体を落とし両手が地面に付くんじゃないかってくらいだ。



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