海での最優パーティー Fin
「助けてー!」
パムの声がする。
「助けてください!」
ジニーの悲痛な叫びも。
僕らは洞窟の大部屋の奥の小部屋に戻って来た。全速だったので、デュパンとレリーフはまだ来てない。目の前には、大きな風船のようなものに跨がってるパムと、丸い大きな二つの風船のようなものに覆い被さってるジニー。なんか魔道都市で見たバランスボールとかいう魔道具みたいだな。上に乗ってると色々鍛えられる的なものだったと思うが。
「お前ら、何、遊んでるんだ?」
ふと、気付く。ジニーのボールはピンク。パムのボールは黄色。あれって奴らの水着の色と一緒だ。色も合わせたのか? なんか見てるうちにも少しボールが大っきくなったような?
「オイラたち、遊んでるんじゃないよ」
パムはボヨンボヨンしてる。遊んでるだろ。
「そうですよ、エッチですね。見てないで助けてくださいよ」
ジニーも何言ってるんだ? エッチもクソも無いだよ。ボヨンボヨンしやがって。
「何なんだよ。その気持ち悪いボール。どうしたんだ?」
「あー、ザパンさん、それってセクハラですよ」
女同士でセクハラもなんもねーだろ。その前にセクハラ発言してねーし。
「気持ち悪いは酷いですね。よーく見てくださいよ」
「ん」
まあ、薄々気付いてたけど、しょうもなさに口にできなかった。パムのボールは途切れなくパムのトランクスと一体化している。ジニーのボールはジニーのピンクのビキニと一体化している。要はパムはでっかい何かをパンツに入れてて、ジニーはビキニのブラにでっかい何かを入れてるって事だ。よく見るボールの色が薄い。水着の生地がのびてるからだろう。よく千切れないな。魔道都市の布、凄すぎだろ。
「まだまだでっかくなってるよ。ザパンさん、装置を止めて」
「止め方なんかわかんねーよ。で、お前らなにを巨大化させたんだ?」
ついついこめかみに指をあててしまう。まあ、一応確認だ。
「おっぱい!」
「ちんこ!」
「馬鹿かっ! お前らっ! 程度を考えろ程度を。デカけりゃいいってものじゃないだろ!」
2人とも上に乗ってるし、それじゃ普段の生活も出来ないだろう。
「さすが、王都ナンバーワンだな。良かったじゃねーか。俺じゃお前らには逆立ちしても太刀打ちできねー。多分、お前らのブツ、王国一て言うか、世界一だよ」
「「世界一」」
「お前ら、嬉しそうな顔するなっ。けど、なんでそんなにデカくしたんだ?」
「ナビ通りに使ったんですけど、微調整が難しいんですよ」
「やるからにはルルさんは抜きたいじゃないですか」
まあ、ジニーが暴走したって事か。そして、デュパンとレリーフが合流したけど為す術無く、遅れてビーチに来た導師ジブルに魔道装置は委ねられたけど、解析が終わって装置を改造するまではジニーとパムはこのままだそうだ。
「ザパンさん、普通に走るより早いですよ」
パムはボールで跳ねながら前進している。妖怪か。
「ザパンさん、見てみて、谷間、谷間」
ジニーが水着をずらして谷間を見せてくる。溝にしか見えねー。しかも尊さが全く無い。コイツも器用に跳ねて移動してる。妖怪だ。
ビーチに戻った2人は世界一を自慢してマイたちの間に微妙な空気を出していた。奴らは普通に生活してたけど、バーベキューでは全く役に立たず、しかもデュパンに食べさせてて貰っていた。デュパンは地味だけど、間違いなく、「地獄の愚者」は王都最恐パーティーだ。出来るだけ王都では関わらないようにしよう。少ない友達が減るわ。
海での王都最優パーティー Fin
読んでいただきありがとうございます。
みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。
とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。




