海での最優パーティー 10
「ぼっぼっぼくらはちん〇こ野蛮隊ーっ♪」
まるで天使のような歌声でパムがカスのような歌を口ずさむ。洞窟の反響のあり、まるで聖歌のようだ。内容はゲスゲスだけど。
「パム、それは違うぞ。野蛮隊はザップさんと組んだ時だ。今は野蛮隊じゃない」
レリーフがツッコむ。
「じゃ、パイちん野蛮隊っ名前変えよっか?」
「おい、パム。いつも思うが、なんでお前はそんなに下品なんだ?」
抑揚無くレリーフが問いかける。
「そうだね、んー、レリーフ良ーく見てみなよ」
パムが僕の胸を指す。なんか失礼だな。
「なんだ?」
「もっと見ろ、もっと」
んー、2人して人の胸をガン見しないで欲しい。確かにデカいけど、このスキルを使ってる時にはなんも思わないんだよなー。邪魔ってくらいしか。
「それがどうした」
「お前だって好きだろ? それとも嫌いなのか?」
レリーフが困ったような顔をする。しばし口をつぐむ。
「……ああ、好きだ」
ん、レリーフ顔が赤いぞ。まじか、コイツ、筋肉しか興味無いと思ってたのに。
「ほら、おっぱいってサイコーだろ。嫌いな人は居ない。それと同様にちんちんも嫌いな女の子は居ない。オイラたちはみんなに愛されるパーティーになりたいからみんなが大好きなものをパーティー名に入れてるだけだよ。納得したかなー?」
そろそろツッコむしか無いか……
「そうだな。確かにみんなが好きなものかもしれん。けど、公共の場ではそういう下品な事言うのは控えた方がいい。お前は大丈夫かもしれんが、お前と一緒にいる人はそういう人だと思われるのが嫌かもしれないだろ」
なんで、こういう当たり前の事を大の大人に説教せにゃあかんのだろうか?
「うん、分かった。けど、ザパンさんにはそういうシャイな心って皆無だから大丈夫でしょ? だってザップさんの冒険譚では、ザップさんって全裸でドラゴンと戦ったってなってるけど、それって本当なんだよね? なんか知り合いが舞台で『最強の荷物持ち』を公演するときに、そこをどうするかかなり困ったそうだよ。ザパンさんこそ、公衆の面前ではちゃんと服を着るべきだと思うよ」
ウゲッ。ブーメランだ。もしかしたら、僕の羞恥心の欠如がみんなに悪影響を与えてたのかもしれない。反省だ。
「で、舞台じゃどうしたんだ?」
「そりゃパンツ穿いてたに決まってるじゃない。まあ、肌色のパンツでかなり問題になったらしいけどね」
そりゃそうだな。18禁の舞台になっちまう。
けど、僕は今何してるんだろう。せっかく海に来たのに女体化して、エロガキのパムと筋肉バカのレリーフと洞窟を歩いている。これって夏を楽しめてるのか? ビーチでマイやアンジュたちとキャッキャしときゃ良かった……
「ザパンさーん」
ジニーの声がする。洞窟の奥の方から。




